[携帯モード] [URL送信]

tale
Desire your passion

オレはいつも君の熱に翻弄される。
何度与えられても、慣れたりなんかしなくて。

掠めるようなキスでさえ、オレは全身に痺れを感じる。
抱き締められれば、足の力が抜けて立っていられない。

一瞬で君の熱に飲まれ、意識さえ飛ばされてしまいそうになる。


熱を感じた後に君が離れれば、身体のあちこちに痛みのようなモノが走る。
一秒たりとも離したくないと願うオレは、既に狂っているのかもしれない。

そんなオレに気付かないでいて欲しい。
きっと、呆れて嫌われてしまうから。


今日も、君の熱に浮かされて頭をぼんやりさせていると、君は小さな声で笑ってどうかしたのかと尋ねる。
オレは首を横に振り、ただ君の胸に顔を埋める。

ずっとこのままでいられたら良いのに…。


オレがいないと淋しい?と君は聞くから、オレは驚いて顔を上げた。
だって、今までそんな風に聞かれたことがなかったから。
君の瞳が揺れていたのは何故だろう。

オレは素直に淋しいと伝えた途端、恥ずかしくて君の顔を見ていられなくなって、また君の胸に顔を埋めた。

でも、答えてから不安になる。
今の回答が君の求めていたものと違っていたら、と。

けれど、君は再びオレを抱き締めてくれた。

そして、オレが求めて止まない言葉をくれる。


「三橋」


君の声で名を呼ばれるのが、好き。


「好きだよ」


君の想いを綴る声が、愛しい。


いつまで君はオレを求めてくれるのだろう。

不安をかき消すように、君の背に回した腕に力を込めた。

オレも好きだよ。
たとえ、君が別れを選ぶ日が来ても―。





070923 up

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!