tale
between you and I
何度も繰り返し言葉にして、君に伝える。
好きだと、愛していると。
もうきっと、何十回も何百回も言っている。
君はその度に、オレを掴む手に力を入れ、自分も好きだと言う。
でも、いつもそれはオレの言葉を受けた後でしか、君の口から零れることはなくて。
君の性格を思えば仕方のないことかもしれないけれど、それでもちょっと寂しい。
こんなに不安になるのはオレだけなのだろうか。
君が誰かといるだけで、君と離れる時間があるだけで、オレの中にはいくつもの不安と嫉妬が生まれ、膨張する。
君は?
オレにそんな感情は持たないの?
恥ずかしいから茶化しながら聞けば、淋しくなると目を潤ませて応える。
本当に?
じゃあ、何でいつもそんなに余裕あんの?
オレを求めるようなこと、一度だって自分から言わないだろ?
オレだけが想いを募らせているみたいで、オレだけが君に縋っているようで。
いつも焦燥感に駆られる。
同じ感情でいることなんて不可能と分かっていても、オレは君に同じ想いを求めずにはいられない。
「三橋」
オレの中の醜い塊を砕く為、オレは今日も同じ言葉を紡ぐ。
「好きだよ」
強く抱き締めて、何度もキスを与える。
君の総てでオレを満たして欲しい。
餓えて止まないオレの心を―。
070919 up
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