[携帯モード] [URL送信]

tale
between you and I


何度も繰り返し言葉にして、君に伝える。
好きだと、愛していると。
もうきっと、何十回も何百回も言っている。

君はその度に、オレを掴む手に力を入れ、自分も好きだと言う。


でも、いつもそれはオレの言葉を受けた後でしか、君の口から零れることはなくて。


君の性格を思えば仕方のないことかもしれないけれど、それでもちょっと寂しい。
こんなに不安になるのはオレだけなのだろうか。


君が誰かといるだけで、君と離れる時間があるだけで、オレの中にはいくつもの不安と嫉妬が生まれ、膨張する。

君は?
オレにそんな感情は持たないの?

恥ずかしいから茶化しながら聞けば、淋しくなると目を潤ませて応える。


本当に?
じゃあ、何でいつもそんなに余裕あんの?
オレを求めるようなこと、一度だって自分から言わないだろ?


オレだけが想いを募らせているみたいで、オレだけが君に縋っているようで。
いつも焦燥感に駆られる。

同じ感情でいることなんて不可能と分かっていても、オレは君に同じ想いを求めずにはいられない。



「三橋」



オレの中の醜い塊を砕く為、オレは今日も同じ言葉を紡ぐ。



「好きだよ」



強く抱き締めて、何度もキスを与える。


君の総てでオレを満たして欲しい。
餓えて止まないオレの心を―。



070919 up



[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!