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03








「……き…さん。明良さん」

「ん…っんー……」

「あの…お風呂上がりました」

「んー……?」



あー眠い。このまま眠りたい、寝かせてくれ。


「明良、さん……」

「っ……ごめん、今入るよ」



いかんいかん。また小さい子どもの様に泣きじゃくりそうな雰囲気だった。

慌てて立ち上がり、風呂場へと向かう。




──チャプ……。


しかし、参ったなぁ……あんな調子じゃあ気を遣い過ぎて更に疲労が増すじゃないか。

何か仲良くなれる方法はないものか……。


「ん〜駄目だ、全然思い付かない。……ん?なんだこれ」


隅っこにアヒルのオモチャが……俺、こんなん持ってたか?

特に気に留めず、浴槽に首まで浸かる。

独り暮らしの一軒家にしては広すぎる程の浴槽。そもそも独りだったら、ローンしてまでこんなデカイ家なんて買うはずがない。
理由はただ1つ。7年前まではこの家に3人で住んでいたからだ。だがしょうもない事で離婚してしまって少々後悔している。

好は元気なんだろうか。


──それから1時間、過去最高のバスタイムだった。



「じゃあ、那智君の部屋はここな」

「ありがとうございます。…お休みなさい」

「あぁお休み。あ、そうだ、何かあったら遠慮せずに呼んでな」

「っ…はい」



バタンと那智君の部屋のドアが閉まった。自分も部屋に戻り、今日干したばかりの毛布の中に潜る。


電気を消し、天井を見つめた。前まで1人で過ごし、そして1ヶ月間の同居人。だが別々の部屋で寝ている。当たり前の話。



────寂しい、なんて。


ガチャ。


「あ、あの…明良さん」

「ん?どうした?」



枕を胸に、那智君が入ってきた。
…これはもしかしなくても……。



「い…一緒に寝てもいい、ですか?」








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あきゅろす。
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