02
……まぁ、んな事はどうでも良い。いや、全然良くない話なんだが今はそういう話題じゃないって事だ。
それよりも夕飯だよな。
取り敢えず昨日の残り物でいいか。今頃スーパーで買い物なんて面倒だし。
俺はキッチンへ行き、冷蔵庫にあるポテトサラダと鯖の味噌煮等を出していく。
那智君も小皿を出したりしてくれた。なんでも、家でやらないと怒られてたらしい。姉さんに。
可哀想に那智君……。
「ご馳走さま、です……美味しかった」
「それは良かった。…えと、那智君は結構大人しいね」
「そうですか?」
「あぁ。……」
「……」
会話終了……。
姉さん助けて…っ!
あまりにも子供の扱いに慣れていない自分が悲しくて仕方なかった。
何せ、好(よし)の時はやんちゃな子どもだったからなー……。
そんな懐かしい思い出に浸って、ピタリと止まる。
違う。この子は…那智君は那智君だ。
「?あの……」
「ん?あ、あぁ気にしないでくれ。それより、風呂はもう沸いてるから少ししたら入りな」
「え、でも……」
「那智君は客人なんだから、それくらい甘えなさい。その代わりちょっとは手伝ってもらうから」
「………はい」
「よし、偉い偉い」
「っ!?」
「え、あっ…ごめ!つい……」
小さい子どもの感覚で、那智君の頭を撫でてしまった。その事に吃驚した那智君。俺は直ぐ様謝り、その手を退けた。
『大丈夫です』と、特に気に障った様子もなく那智君はただただ、照れていた。
な、なんて照れ方するんだ……。
高校生とは思えない位、少し頬を染めて目を逸らした姿はちょっと可愛かった……なんて声には出せず、俺はそそくさと食べ終わった茶碗をシンクへと持っていった。
粗方、食事も済んで寛いでいると那智君が風呂へ入ると言った。
「じゃあ着替え持って入って来て良いよ」
「はい」
そして1人の空間が出来た。一度背伸びをする。
はぁー……なんか疲れたな……。今日は少し長く入るか。
なんて考えながらウトウトと、瞼が下がっていった。
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