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novel
隣人
302号室の隣、301号室(ウォルターの死体があった部屋、今は改装されてちゃんとした部屋に戻っている)に家族が越してきた
「初めまして、今日隣に越してきたハリー・メイソンと言うものです。こっちは娘のヘザー、ほら、ヘザーも挨拶を」
ハリーが後ろから様子を伺うヘザーを呼ぶと彼女は丁寧に挨拶をした
「私はヘンリー・タウンゼント。家にはもう一人居ますが…すみません、シャイなもので」
ウォルターはブザーが鳴ったとたんにベッドルームに走っていってしまった
こんな事は初めてでヘンリーも内心驚いていた
「そうですか、大丈夫ですよ」

それにしてもと、ヘンリーは首を傾げた
この前挨拶にきたジェイムスの話ではパートナーが越してくると聞いていたものだから
娘のヘザーは年齢的に彼と釣り合わない
「それでは、引っ越しの片付けが残っているので」
と、挨拶だけ済ましてメイソン一家は自宅へ戻って行く

ヘンリーはそれを見送るとベッドルームに隠れたウォルターの元へ向かった
「どうしたんだ?」
頭からすっぽり布団を被りウォルターはベッドの上にうずくまっている
「…女が居たな?あれは有害だ」
意味不明なことを呟く彼に大丈夫と声をかけようとしたとき

ビー…ビー…
再びブザーが鳴った
「出るなヘンリー」
「ダメだ、そういう訳にはいかない」
玄関に向かうヘンリーの後をウォルターは口をへの字にして着いてくる
「…はい」
扉を開くと、そこにはさっき父と挨拶に来たヘザーが一人で立っていた
「どうかしたのかい?」
ヘンリーが優しく声をかけると後ろからウォルターが飛び出してヘザーにマグナムを向けた
「やはり貴様か、アレッサ…最初に言っておくが教団に戻る気はこれっぽっちもないぞ」ウォルターの体が震えている
そんな普通じゃない彼を見たヘンリーはとにかく、まず手に持ったマグナムを下ろさせる事にした
「落ち着けウォルター人違いかも知れないだろ!現にこの子はヘザー・メイソンであってアレッサじゃない」
「いいえ、私はアレッサでもあるわ」
ヘザーのセリフにヘンリーの言葉が台無しになる
「…やっと幸せになったんだ、何故奪おうとする!」
「そんなことしないし、それより助けてよタウンゼントさん。少しの間部屋にかくまって!お願い!!」

「ヘンリーお前は優し過ぎる、少しは人を疑え…ブツブツ」
お願いされて断り切れずヘザーを家にあげたヘンリーの後ろでウォルターが部屋を侵食している
「私は確かにアレッサだけど今はヘザーで教団とは関係ないんだってば」
ウォルターに半分怒りながら言う彼女の前にヘンリーは静かにコーヒーを置いた
「かくまってくれとは一体何事なんだい?」
「家にジェイムスが来たのよ」
彼が家に来ることが余程嫌なのだろうか
「どうして…奴が来るとかくまう事になる」
ウォルターが即座に切り返した
「自分の父親が恋人といちゃつくの見たい娘なんていないわよ。てゆうか、ジェイムスは暗くてつまんない」
「ヘンリーどうした?」
ヘンリーの思考にブレーカーが落ちる
ジェイムスの言っていたパートナーの意味が分かって彼は激しい嫌悪感を抱いた
「差別だヘンリー、人の事は言えないだろう」
何も言っていないのに心の中をウォルターに見透かされ肩を叩かれた彼はうんざりしている

「ヘザー!ヘザー!」
部屋の外から彼女を捜す声がこだましている、見つかるのもそう遅くは無いだろう
「アレッサ…諦めて戻ったらどうだ」
ウォルターが忌々しそうに言う
「お父さん心配してるかもしれないよ?」
「そうだ、さっさと帰れ。私達も今から愛の営みをだな…」
「ヘザー、ずっとここに居てもいいよ」
ヘンリーは焦ってヘザーに助けを求めるが、彼女は立ち上がって玄関に向かう
「ヘンリーはいい人だけど、ウォルターは好きじゃない。…ありがとう」
彼女はそう言うと何処にしまっていたのか日本刀を片手に雄叫びをあげて扉を開け走り去っていった

「世話の焼ける女だ」
「お前よりましだ」
何事もなかったようにコーヒーカップを片付けて雑誌に手を伸ばすヘンリーをウォルターが捕まえた
「忘れたとは言わせんぞ?」
「はは…何の事だか」

この後、ヘンリーはヘザーを帰した事を酷く後悔することになった


後書き

ぐはっ!すみません…なにやら意味不明なものが出来上がりました(なら公開すんなって)
ヘザーはハリパパが大好きです
ジェイムスのことはそれほど嫌いじゃないけど、ちょっと鬱陶しい存在のようです
…てか、ヘンリーよくヲルにやられて終わるなぁ

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あきゅろす。
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