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novel
Hoped shape
あの忌まわしい事件から数日が経っている
何もかも元通り・・・というわけにはいかなかったが
取りあえず、部屋の外には出ることが出来る様になった
「ヘンリー、今日は休みだろ?何処に行く気だ」
部屋を出ようとすると後方から声がかかる
・・・ウォルターだ・・・
「休みは私と居る約束だろう」
ウォルターが唸る様に言う
「買い物だよ」
私の回答に納得がいかないような顔をするが小さく
「真っ直ぐ帰って来てくれ」
とだけ言うとTVの前のソファーに体操座りをしてしまった
「…直ぐに戻るから」

何故、ウォルターが私の部屋に居るのか…

事は当事者である私を除いて勝手に進んでしまっていた
管理人室で、ウォルターを救わなくてはと言い、先に302号室へ戻ったアイリーンは私が戻る前にウォルターを説得して待っていた
「ヘンリー丁度良かった!私がウォルターに話を付けておいたわよ。」
嫌な予感はしていたんだ
ニコニコと微笑むアイリーンの後から武器を片手にウォルターが出てきたので迎え撃とうとしたところ
「ダメよヘンリー」と
アイリーンの制止に合って…頭部に衝撃が…
薄れ行く意識の中ゴーン、ゴーンと響く鐘の音を聞いて
それから記憶がない

目が覚めたらアパートは元通りに見えた
ウォルター達がここに居ることを除いては…

何だか分からないまま私はウォルターと同棲することになった訳だが
「あら、どうしたの?ヘンリー、今日は休みじゃないの?」
アイリーンが買い物袋を下げてやって来た
「買い物に行くんだよ」
「そうなの、邪魔しちゃ悪いわね…セール品の卵があと少しだったから急がないとね」
彼女はくすくす笑って私の背を押した
「ほら、急いでヘンリー奥様は大忙しよ!」
「…あぁ」
最後の言葉が気になるが…気にしている場合ではない
セールを逃すのはとても家計に響く

スーパーに向かう途中私はアッシュフィールドの駅横を通るの事になるの
ここには、シンシアがいる…
「ヘンリー!!捜したのよ」
「…すまないシンシア、急いでいるから通してくれ」
「嫌よ、それよりも私とイイことするんでしょ?」
長い髪が私に絡みついてくる
このままではセール品が無くなってしまう
シンシアには悪いが帰服の剣で縫いつけておこう
「ちょっと!!ヘンリー何するのよ!」
「シンシア許してくれ、火急の用事なんだ」
仰向けになってじたばたともがくシンシアを後にして私は走った

売り場に駆け込む、セールの文字の下には、一パックだけ卵が残されていた…どうやら間に合ったようだ
安堵の溜息を漏らして卵に手を伸ばした
が、私より少し早く横から手が伸びてきて卵はその人の買い物かごへと入った
「あっ!」
思わずみっともない声を上げてしまう
見ると相手は管理人フランク・サンダーランドだ
「ヘンリーさん…」
何とも気まずい雰囲気だ
「私にはどうしても卵が必要なんです」
管理人はそう言い残すとあっという間にレジに走って行ってしまった
 「その卵じゃなくても…」

結局、目当ての卵を買えないまま私は帰路についた
「あぁ!ヘンリー待っていたのよ!!早くこの剣を抜いてぇ」
うめき声を上げるシンシアの横を通り過ぎてアパートの前にさしかかる
「すみません、サウスアッシュフィールドハイツは何処ですか」
突然、声をかけられて振り向くと
そこには、金髪の暗い印象の男性が佇んでいた
「ここがそうですが…」
「そうですか、ありがとうございます」
一度お辞儀をすると、アパートに行くわけではなく見当違いの方向へ歩いていってしまった
…何だったのだろうか…

「早く戻らないと…」
再び歩き始めると、今度は誰かに肩を叩かれた
振り返ろうとして何か堅い物に頭をぶつける
「ーっ!」
そこにいたのは赤い三角の大きな帽子(?)を被った大きな男性(?)だった
目の前に一枚の写真を差し出される
そこに写っているのはさっき目の前のアパートを訪ねていった男性だ、捜しているのだろうか
「その人なら、先程あちらに行かれましたけど…」
三角の人は握手を求めてくるので握手に応じると
三角の人の後からもう一人三角の人が出てきた
そして、何やらコソコソと相談をしている(ように見える)

話がついたのか2人とも私の方を向くと、同時に手を差し出してきた…何か持っている様だが
受け取れと言わんばかりに手を突き出してくるので、手のひらを出すと彼らは私に何かを握らせて教えた方へ、のそのそと歩いていってしまった

手には錆色の卵と緋色の卵が乗っていた

サウスアッシュフィールドハイツの玄関、ポストを確認する
背後に気配を感じて、とっさに鉄パイプ(常備)を使って振り下ろされた鈍器を受け止めた
こんな芸当が出来る様になったのもウォルターのせいだ
「な…ななな…何が子供だ…こ 子供じゃないじゃ…ないか」
ブブブブッと何度かぶれながらリチャードがバールを下ろす
まだ根に持っているのか…ブツブツ言いながら彼は階段を上がっていった
合う度に背後から殴りかかるのはやめて欲しいものだ

「ただいま、ウォルター」
302号室に帰るとウォルターがむくれていた
「…遅い、遅いぞ」
私を見るなり怒りを露わにするが、そのまま膝を抱えて丸くなってしまった
その隣に行き背中をさすってみる
「ウォルター」
「…私のモノになる約束だろう…やはりヘンリーお前も殺してゴーストに…」
ウォルターが何やら恐ろしいことを呟いている!
「やめような?ウォルター…」
彼は突然立ち上がり私を見下ろした
「…ウォルター?」
「お前は私のモノだよ、ヘンリー。夫婦には子供が必要だな」

ぎゃーーーーー!!

後日、何故かアイリーンがパーティーを開いてくれた…


後書き

ヲルヘンですよ〜そしてごちゃ混ぜですよ〜
赤い▲頭さんとジェムさんも出演です
サイレントヒルは全部好きだからそのうちヘザーとかハリーとかも出るかも
それでもヲルヘンと言い張るつもりです
ちなみに鐘の音アレはゲームではアイリーンが母体になるときにだけどここではウエディングベルだったり
ヘンリーは知りませんよ(笑)
卵はオムライスになりました

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あきゅろす。
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