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novel

最近、ウォルターの様子がおかしい
私とベッドに入り少しすると私が寝たか確認し、それから静かにベッドから出ていく
のびのびと寝られるし襲われる心配も無くなるので私としては嬉しいのだが
どうにも気持ちが悪い

…何か企んでいるのでは?
そう思うと恐ろしくて、彼の後を追う事にした

いつもの様に寝たふりをすると、ウォルターはやはり部屋を出ていった
音を立てない様にと慎重に後を追うと
彼は物置に入っていった
不審に思い、扉の隙間から中を覗いてみる

キュピーン…ピコピコ
旧式のゲームに似た音が耳に入り、目の前の光景に愕然とした

犬がいる

それも、ただの犬ではない
イヤホンを付け、物置を次々とよく分からない機械に改造していく
「覗きは犯罪だぞ?ヘンリー」
頭上から声がし驚いて見上げると物置に入っていったはずのウォルターが私の後ろに立って見下ろしていた
「…説明しろ」

「彼は凄い犬でな、301号室の前で寂しそうに座っていたから。泊めていたんだ」
まるで犬ではなく人のように接するウォルター
「泊める代わりに彼からは知識を貰ったよ」知識とはあの変な機械の事だろうか
よく見ると沢山ディスプレイがあり何か映っている
「…ん?」
見覚えのある顔が映っている

隣の家族メイソン一家とジェイムスだ!
犬はくふんっと小さく鳴くと、手前の赤いレバーを一気に手前に引く
すると、別のモニターにいつか卵をくれた三角の二人が映る
背景から特定出来る場所は…
このアパートの駐車場
呆然と見ていたとき犬が突然ギャン!と悲鳴をあげた

メイソン一家を映すモニターの一つに映るハリーがこちらを見ている
モニター越しなのに目が合いそうになり私は思わず目を伏せた

ブツン、ザーーー…
全てのモニターが暗転し砂嵐に変わり、酷いノイズ音がなる
「気付かれた」
ウォルターが玄関を見てい言う
扉の開く音がして誰かの足音が家の前で止まる

コッコッ…
チャイムがあるのに二度ノックがされた
「タウンゼントさん、居るんだろ?出てきなさい」
***************************
「ほう…どうりで」
物置の中の機械と犬とを見て感心した様な声をあげるハリー
「ここ数日、ジェイムスが誰かの視線を感じるなどと言って行為を拒んでいたんだ。これで今晩は思う存分…だな」
不穏なことまで口走り始めた
「ところでヘンリー君、この犬は君の犬なのか?」
「いや、そう言うわけでは…一時的にいるだけで飼い主を探すつもりです」
私の言葉にウォルターが悲しそうな顔をする
「彼を人に譲るのか!?こんなに賢いのに!!」
「犬を飼う気はないよ、お前一人で精一杯だ」
「なら私に譲ってくれないか」
ハリーが犬を抱き上げる
「会いたければ隣なんだ直ぐに会いに来られるだろう」
「そうですか、ほら、ウォルター隣ならいいだろう?」

だだをこねていたウォルターに何とか言い聞かせて、犬はメイソン家に引き取られていった

それから数日経つが、あれから一度もあの犬の姿を見ていない…


後書き

なんかよく分からないものになってしまいました(汗)
ただ単純にあの犬を出したかっただけなんですはい
メイソン家に貰われていった犬のその後については読者様の想像にお任せするという方向で

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