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novel
Watch−1(ヘンリー視点)
やかましい、目覚まし時計の高音が響く
鬱陶しそうに伸ばしたその手で私は乱暴にその音を消した。

会社に行かなければ
鉛の様に重たい体を起こしてベッドから這い出る
どうにも最近よく眠れず私は寝不足で苛々する
ここ数日嫌な夢を見るのだ
見知らぬ男が私の部屋を彷徨くそんな夢
その男は何をするわけでも無くただ部屋を徘徊しそして、寝室の前で止まるとゆっくりと二度ノックする
ドアノブに男が手を掛けるところでいつも目が覚める

もちろん、夢であるから扉の向こうには誰も居ないのだが・・・気分のいいものではない
ぼぅっとした頭を覚まし嫌な夢を一時でも忘れる為にいつもよりもコーヒーの粉を多めにドリップした
苦い味が口の中一杯に広がる
トースターからパンを取り出しTVの前のソファーに座り
NEWSを見ながら朝食を摂る

眠たい・・・

目蓋がゆっくりと下りてくる
薄れていく視界に不意に影が射す
おちかけた重い目蓋を押し上げる様に開くと
「わぁぁあ!!?」
思わず大声を上げてしまった
目を開いた瞬間は確かに私を見つめる顔を見たのだが
当然、そんな物は何処にもない
きっと気のせいだろう、寝不足のせいで幻覚を見たのだろう
一呼吸置いてから自身を落ち着かせて零してしまったコーヒーを片付けた

頭が痛くなってきたが
とにかく、支度をして会社に出かけることにした
外の空気を吸えばきっと悪い気分も少しは収まるだろうと考えた
扉を開くと空気が流れ込んできた
それと同時に横を何かが通り抜けていった錯覚に陥り
急いで部屋を出て鍵を掛けた

その時目の前にあるドアスコープが何故か目に付いた
誰かが誰もいないはずの私の部屋から私を覗き見ている気がした
相当疲れて気が滅入ってしまってるんだ
そうに違いない
自分に言い聞かせて私は足早に会社へ向かった


後書き

ヘンリー視点から書いた小説ですよ
管理人の文章力が低いので・・・アレですが許して下さいな(汗)ヲルターの「見てるよ」の怪奇現象にやられて突発的に書いたもので、ヘンリーがまだ監禁される前の設定です


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