Neo-A 願い(ExN/暴力/暗/痛) 「…げほっ、が…ッは」 ぱたぱたと白いシーツに散った赤 「死ね」 目の前には狂ったような笑顔 苦しい 「死ね!」 酸素を求めて 足掻く 「死ね!!」 細く押し潰された気管は 僅かな空気しか取り込めず 死にたい、 頬を滴が止めどなく伝い 死に、た…い 視界がぼやけて 死にたく、ない 浅ましい私は願う 死にたくない 「………た……ぃ」 ぼやけた視界で彼が笑った 「死ねよ」 「……に…たくな…い」 「死ね」 「……死に、たくなぃ」 「ならば願え、懇願してみせろ」 「死にたくない!!」 張り裂けそうな声で叫んだ。満足げに彼は笑い、もう一度私を殴ってから姿を消した。私の身体中を覆っていた痣が消えて、自由になった気管から大きく息を吸い込み肺に酸素を送り込む。 暫く深く呼吸を繰り返し、止めどなく流れていた涙が収まったので、ベッドから起き上がった。煌々と耀く月明かりを一瞥して痛む首筋を擦り、口端から溢れた血液を拭いつつどうやら切れてしまったらしい口内の傷口を舌で探せば鉄の味がして。 また溢れた涙をがむしゃらに拭って洗面台へ向かう。 モノクルを外している為に僅かにぼやけた視界で明かりを点けると鏡に酷い顔が映った。 泣きすぎた目は赤く腫れて充血しているし、涙の痕が幾本も走っている頬も、殴られたために腫れていて所々血を滲ませている。白い首筋にはくっきりと指の痕が浮かび上がり。また涙が溢れるのを奥歯を噛み締めて堪え、冷たい水を出し顔を洗った。傷口に滲みて痛みが増しても、私は顔を洗い続けた。 彼は時々ああやって私を痛め付ける。本気で殺そうとする。そうしながら彼は至福の瞬間とでも言いたげに高く高く笑うのだ。 死にたいと願えば願うほど激しく痛め付け、渦巻きの触手を広げて私を侵食する。 私が生きたいと願うまでそれは止まない。そう願った途端、彼は姿を消してしまう。 私は彼が消えた後、激しく悔やむ。 また、生きてしまったと。 ******アトガキ 暗いですね ×っていうよりVSのほうがあってるきがしてきました。 死にたいけどどうしても生きたいと最後には願ってしまうニクスさん 更に生きてしまって後悔してます そして死に際まで痛め付けて楽しんでるエレボス はい、謎ですね お粗末様です *前へ次へ# [戻る] |