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薄くなったカルピス
「団長、大丈夫ですよ…」

「ダメだよ。名前にはかりがあるからね」

「…そんな、大袈裟です」

「…なんか飲みたいものある?」

「………」

「?どーしたの?」

「団長、優しすぎて怖いです…」

「…失礼だなーあ、カルピス持ってきてあげようか?」

「(ポカリじゃなくてカルピス…?)あ、はい」



ドアの閉まる音がして、10秒ぐらいで戻ってきた。



「はい、どーぞ」

「(早っ!)どうも…」





カルピスの中には氷が入ってた。

冷たくておいしい。きっと団長が持ってきたらなんだろうなぁ。

って…どんだけ好きなんだ…私。





「ほら、寝てて?」

「…はい…」





団長が優しくしてくれて幸せだなぁと思いながら

そっと目を閉じた。





「…ん…」





目を開けると窓の外は夕日色に染まっていた。

だいぶ熱は引いたみたいだけど頭はとっても痛い。

団長は部屋にいなかった。

…なんでだろ?すごく寂しい。

ふと目にとまったのは団長の持ってきてくれたカルピス。

飲んでみるけど、ものすごく…





「…薄い…」





氷が溶けてほとんど水の味しかしない。



薄くなったカルピス


心なしか風邪がよくなった気がするよ。



(090731)


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