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手当をしようとしたまでは良いものの、
…………どうみても男の子、だよね……
服脱がせないと…………うん、そう…
………せざるを得なかったんだよ、うん。覚悟を決めろ!私!……………よっし。
………………緊張するなぁ…そーっと…





……ベッドに運び、服に手を掛ける。
思いの外軽かった長身のその体は、
すんなりと腕に収まってくれた。
…………………力、強くて良かった。
電気を付けてベッドに下ろすと、
今まで見えなかった彼の顔がよく見えた。

男の子なのに綺麗な顔…私とは大違い。
……鼻と頬に、緑のペイントがある。
珍しい…………オレンジの髪………
…あ、そうだ、服脱がせなきゃだった。
脱がせるって嫌な響きだ。疚しくないよ!
怪我の手当するだけだし…………うん。





「う………わ、」





一番酷いのは今も血が吹き出ている右足。
腕や他の所にも擦った様な痕がある。
………………何この武器の量。…手裏剣?
うわ、重っ………武器の山になってるし。
…下着以外全部脱がせると痛い光景が。
腹には古傷。多分、切り傷だろう。
足や背中…うで、肩、…首にも?
大量の古傷。比較的新しいのも、数個。
日常的に出来る筈の無い傷も多い。
見てるだけで痛い。痛いよ、君。
とりあえず応急手当だ…うん。





「…………………こ、こんな感じ…?」





とりあえず応急手当。本当にとりあえず。
大傷の手当の仕方なんて知らないから、
拭いて消毒して包帯ぐるぐる巻きに。
そんな事をしている内に、
私の中にある仮説が浮かび上がってきた。
日常的に出来る筈の無い傷、クナイ、
見たことの無い額当て、手裏剣、
忍者とかみたいな迷彩の洋服。

………………もしかして、昔の人、か?

……私、頭おかしくなったんじゃないか?
大丈夫か、私!頭大丈夫か、私!!!





「……………起きたら聞いてみよう。
………あ、でも本当に昔の人だったら…」





もしかして、もしかすると、忍者かも。
そしたら私確実に殺されるよねこの状況。
…………………まぁ、大丈夫でしょう。
と、楽観的な彼女は割り切って、
比較的大きめな自分の服を彼に着せた。
………彼が細くてムカついたのは内緒だ。





「睫毛長……………綺麗……」





ゆっくりと彼の睫毛に手を伸ばすと、
彼が身じろぎをし、瞬間的に手を引く。
溜息をつく。嗚呼もう眠い。
…つい、時計に目が行ってしまう。
はぁ……もう12時か…寝ようかな…
ベッド………は明け渡してるから、
今日はソファーか…ま、いいか。

…明日が、楽しみだ。










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あきゅろす。
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