もう恋は始まっていた





「チカちゃん?」



くるりと振り返る銀髪の少女。
チカちゃんの髪にはお花の髪飾り、
ワンピースにスミレ色のサンダルと、
どこからどう見てもかわいい女の子だ。
…右目にしている眼帯を除けば。
彼女の目の前には黒髪の少女。
二人は目をキラキラと輝かせる。



「名前ちゃん、おはよう。」

「うん!ちかちゃんおはよ!
相変わらず今日もかわいいねーっ!」

「…名前ちゃんもだよっ…?
…名前ちゃん、今日は何するの?」

「んーとねぇ…あ!お人形遊びは?」

「うんっ。」

「じゃあまずは…」





そんな可愛い二人…いや、眼帯の彼女は
すくすくと育ち…すくすくと…うん…
…………すくすくと…すくすく…





「育ち過ぎだろぉおおぉお!!!!!」

「うごぁっ?!…何の話だ?!?!」

「ばかぁあああチカのばかぁあ!
こんな893ヤローになりやがって!
お母さんそんな子に育てた覚えは
全くありませんっ!!!!!!!!」

「まず育てられた覚えがねーよ!!
てか最初のタックルは何だったんだ?!」

「うるさいばか!チカのばか!でかい!
あんなに可愛い女の子だったのに!
騙された!女の子だと思ってたのに!!」

「うるさいで片付けられた?!
っつーか、俺 は 男 だ ! !」

「知っとるわばか!!!」

「お前馬鹿馬鹿言い過ぎ…」

「うるさいばかぁあああ!!!!」





そんなこんなで(←)可愛い女の子は
オールバックに眼帯に着崩した服に
なんかジャラジャラしたのがついている
立派なヤンキーになりました。まる。
あれ、文だからまる要らない?
ま、いいや





「つーか何だったんだ…」

「うう…こんな…こんな伊達野郎に…」

「伊達野郎ってなんだ伊達野郎って。
政宗の真似してるみてーじゃねーか。」

「政宗カッコイイじゃん政宗。」

「お、お前あーゆーのがタイプなのか?」

「んや?どっちかってったらチカかな。」



沈黙。



「は?!」

「あはは、冗談だよじょーだん!」

「っ…なんだよ…(心臓に悪ィ…)
…つーか、お前が言ったんじゃねーか…」

「何を?」

「聞こえてたのかよ?!」

「うん聞こえたよー?で、何を?」

「地獄耳…」

「早く言え馬鹿チカ。」

「ったぁああ?!殴るか普通……つか…
その……………………って…、」

「あんだって?」

「っ、だから!お前が昔ままごとしてる時
強い男が好きだって言ったから…その…」

「……そんなこと言ったっけ?」

「(ガーン)」

「………ま、チカは好きだよ。」





「……………うぇ?」

「ほらー、早くしないと置いてくよー?」

「っ、待てお前今のどーゆー意味だ!!」

「チカ足遅ーい!」

「だから待てって!名前!」
















(ばか名前!待ちやがれ!)

(誰が待つか!ばーか!)










Thanks by 確かに恋だった


あきゅろす。
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