02
痛い。
体中が焼ける様に痛い。
ぐっ、と腕に力を込めて、
ゆっくりと起き上がる。
状況から見て、どうやら私は、
後ろの崖から落ちてきたらしい。
…崖?図書館じゃなくて?
立ち上がり、体に付いた砂をはらう。
立ってみて初めて気付いた。大きな沼…
緑が生きている様だ、と思う。
空はどこまでも高くて………まぁ、
そんな状況じゃないけど。
落ち着いてよく見てみると、
整備された道が無い。
ついでに車の音も聞こえない。
人の話し声さえ……聞こえない。
携帯は圏外だし、
大声出しても誰も居ないし、
………サバイバルみたいだ。
ミントチョコレート
「おい、そこのねぇちゃん!」
「へ?」
「その沼には近付かない方がいいだよ。」
「ぬ…ま?」
くるりと振り返るとそこには、
まるで時代劇の農民役のような子供。
…え、嘘。何この状況。
えーと、後輩が語ってたような…
あー…あ!異世界トリップ…だっけ!
「んだ。その沼は底無し沼。
無闇に近付くと取って喰われるだよ?」
「えーと…ありがとう。」
「…ねぇちゃん可笑しな服着てるだな。」
「…やっぱり?」
「ん?」
「あ、ううん、なんでもない。」
どうやら後輩が言っていた
その…異世界トリップとやらを
してしまったらしいです、私。
「なぁ、ねぇちゃん、
なしてんな所に居るべや?」
「…わかんない…」
「…迷子、だべな。」
「…まぁ。」
「…ま、頑張るべや。」
「うん、ありがと。」
少年と別れた後、
とぼとぼと歩く先には村。
あーでも、こーゆー時代って
通行…通行書?手形?かなんか
必要じゃなかったっけか………?
…ま、いいや。
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