01





忘れていた夢を見た。
昔から繰り返し見る夢。

夢の中では男の子が笑っていて、
私も、すごく幸せそうで。

誰だかも、わからないけれど。





















「あ…時間…」





このあいだ買ったデジタル時計は、
午前9時30分を示している。
ちなみに気温は29.4℃。
…エアコンつけようかな。

今日は土曜だから学校無いし、
部活も、多分……………無いはず。





朝ご飯食べて、お風呂入って、
夕方には道場行かなきゃなぁ…
その前にまず着替えて、
それから…図書館にでも
行ってこよう。借りた本返さなくちゃ。

空を見上げれば真っ青な空。
ふぁ、とあくびをして、伸び。
眠い頭を水で叩き起こして、





「……………よしっ。」










軽快に自転車をとばす。
青い空にはよくよく見ると
青白い月が浮かび上がっていた。
普通、気色悪いと思うだろうが、
その燃え上がる様な青い月に、
何故か私は月に見とれてしまっていた。

誰かに、似ている…?










なんて、まぁあるわけ無いのだけれど。










いつもより早く着いた図書館に
借りた本10冊(制限ギリギリの冊数)を
カウンターで返して2階へ上がる。

いつもはあまり来ないのだけれど、
今日ぐらいはと思って。
…ん?今日ぐらい?…ま、いいか。
あ、奥になんかある。…本、か?
本棚の隙間…?うわボロボロだ…

やっと引き抜いたけど…何よこの本。
真…村?何?表紙読めないよコレ…
…しかもバーコード付いてないし。
読み取れないし。古い書籍…なのかな。





パラパラとめくるけれど…白紙。
古い紙なのは…分かるんだけどな…

ふ、と最後の頁で手が止まる。
何か書いてある。達筆で読めないけど、
この字…………どこか…で……………?










そして、意識は途絶えた。










どこかで、見た字。


あきゅろす。
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