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斑雪
甘味屋さんで二人きり


「うん、美味しい」


私はみたらしだんごを口一杯に頬張る。やっぱ団子界の王様だよね。


「みたらしだんご好きだねー」


山崎さんは大福をかじりながら笑っていた。


赤い布が掛けられた長椅子は二人が独占していて広々と刀を放置してある。…ずるいって?


市民の皆さんは大抵真選組が嫌いなので寄り付いてこないのだ。

しかし例外が居た。


「刀邪魔だなぁ、ここ座るよ」


ポーイっと刀を放って図々しく腰かけたのは白髪の侍。


「あっ、旦那!」


山崎さんは白髪の侍を見て会釈をした。


「君は…あっ、多串君の部下の…ジミーくん?」


「山崎です」


どうやら二人は知り合いなようだ。

私は捨てられた刀を拾って腰に戻し、旦那と呼ばれた白髪の侍を見つめていた。


「あり、新人?」


お侍さんは私を見るなり首をかしげて山崎さんに尋ねた。


「違いますよ。真選組一番隊の燐ちゃん。まぁ俺みたいに地味からかも…」


「おいいいぃぃ!!地味じゃないよ!ちょっと世間離れしてたからじゃないかな!」


「へぇ…真選組も捨てたもんじゃねぇな」


彼は笑いながら呟いて懐から紙切れを差し出した。それは名刺で 無論、名前が書いてある。


坂田銀時

万事屋銀ちゃん


「万事屋銀ちゃん…か」


「ん?どしたの?」


坂田銀時さんは私の顔を覗き込んだ。身長差からか、体を屈められて惨めな気分。


「聞いたことはあります。何でも屋さんなんですよね!万事屋銀ちゃん」


「ま、まぁそうだな…///」


「坂田銀時さんは万事屋を初めてどのくらい経つのです?」


「んー、随分経つなぁ」


真っ直ぐに目を見つめて話をする燐と視線が絡み合うような気がして焦点がマッチしない。


「そうですか、また機会があれば」


そう言って彼女と山崎は立ち去っていったのであった。



これがいわゆる初恋ってやつ?

でもこの感情、前にも味わった気がするのは俺の勘違い?




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あきゅろす。
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