斑雪
市中見回り
体の痛みも随分和らいだ頃。
顔の包帯も取れて土方さんに頂いた黒い眼帯を身に付けていた。
「そこに居るんでしょ、山崎さん」
上を見上げるとアラ不思議。
天井から山崎さんが見ていました。
「バレてたかー」
えへへ、と照れ笑いしてから飛び降りてきた山崎さんは私の隣に立つ。
真選組内でも小さめの彼でさえ、私よりは身長が高い。
少し長めの黒髪が綺麗で、ニヤリと笑う。
「何その笑い!」
「いや、ね?何となく」
「燐ちゃん…」
「ん?」
「眼帯よく似合う!」
「あのー、それって素直に喜んでいいの?」
山崎さんは微笑んで私の右手を握った。
「俺、今は暇だから一緒に市中見回りしない?」
「いいね!久しぶりに!」
真選組内で唯一タメ口で話せる山崎さん。山崎さんはノリノリで私の手を引く。
「一昨日、新しい甘味屋ができたから行こうよ!」
多分、今の山崎さんは誰にも止められないだろう。
目を輝かせて なんだか可愛い
あれ、土方さんと二股?
んなわけ無いよね
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