斑雪
武装警察掃除組
12月半ばの江戸はとにかく寒い。
真選組の隊服に防寒具なんか無いし私は手をひたすら擦りながら道を歩いていた。
「寒、寒、寒」
ただ念仏のようにブツブツと呟きながら歩いていた。
ねちょっ、ねちょっ
足に感じる不快感
これはもしや……
「うわっ、ガムくっつきやがった!」
ローファーの裏にガムが粘りついているではないか!誰だ捨てた奴!
「うっわー最悪!」
舌打ちを繰り返しながらケンケンで屯所に急いだ。
「皆よく聞け!最近江戸はゴミで溢れている!おまけに燐ちゃんが被害にあった!」
近藤さんは腕を組んで一部屋に集まった隊士たちを見渡した。
「燐ちゃんのローファーにガムがついたんだ!!」
「そんなもんどーでもいいだろ」
土方さんは冷めた表情で煙草を灰皿に押し潰し、近藤さんのセリフを塗り替える。
「確かに最近の江戸は汚い。よって今日1日、真選組総出で大掃除をする」
ええェェええぇぇぇ!!??
隊士達が忽ちブーイングを始めるのも無理はない…皆掃除が嫌いだから。
「一番隊、かぶき町!二番隊、ターミナル周辺!……」
「……まじかよ」
思わず息を飲む私。
かぶき町って掃除し辛くね?遊郭のチラシとか落ちてるじゃん?あれ見てるこっちが恥ずかしいわ
「頑張ってね〜」
隣に座っていた原田さん、によによしてやがるぞ。
「いいなぁ〜原田さん。屯所でお留守番」
そう、この人達は屯所の見張り。何!せこくない?
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