こねことおおかみ/完結
3
「ヒックっ こ、怖くて・・・っ」
「そうだな」
「うぅっ・・・く、暗く・・・なるしっ」
「大丈夫だ」
「あ、雨も・・・降ってきて・・・ヒクっ」
「寒かったな」
「かっ!!雷が鳴ってっ・・ふっふぇ・・んっ」
「大丈夫。もう大丈夫だからな。
よく頑張ったーーー」
冷たく震える凛を抱きこみ、そっと立ち上がって、宗昭はその小さな体を優しく撫で続けながら来た道を戻る。
凜は宗昭の首に華奢な両腕をまわし、しっかりとしがみついた。
「やだょ・・・っふぇ・・
雨も 雷も 暗闇もやだ・・・っうぅ・・・
むーくんが・・・」
「ん?」
自分のくびに小さな頭をうずめてぼそぼそとしゃべる凛に宗昭は優しく聞き返した。
「ぜ、全部・・・怖かったっ・・・ヒックっ
けど、
むーくんが、
むーくんがいない・・・のが ヒクっ
一番やだよ・・・っ」
「凛・・・」
そう言ってぎゅぅと強まる手と
止まらない首筋の濡れた感覚に
凜を抱きしめる宗昭の腕も自然と強くなる。
<*わんにゃん#>
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