こねことおおかみ/完結
6
「くそっ!!」
(雨が酷くなってきやがった・・・)
凛と離れた辺りを探し回っていた宗昭だが、凛の気配はないーーー。
(もっと奥か・・・・)
「柚っ!タケちゃんが戻ってこ「帰らねぇぞっ!!」
・・・て柚が言うだろうから、『夜になるまでに見つけて来い』ってさ」
「・・・っ柚羅!!凛はっ!?」
「この辺りにはいねぇ、もっと奥だ」
ゴロゴロゴロゴロ・・・ピカッ
「え」
ドーーーーーーンっ!!!!
「こ〜れはやばいね、・・・スズちゃん大丈夫かな〜」
▽▽▽▽▽
「スズちゃーーーん!!」
「りーーーん!!」
「くそっ!・・・凛っ!!」
日も暮れ始めて薄暗い中、降り止まない雨、空を覆う厚い雲はゴロゴロと唸り声をあげているーーーー
「雨の音でなんも聞こえないね〜・・かおるちゃん、大丈夫?」
「俺は大丈夫・・・凛が・・・・・」
いつもの威勢もなく、眉を垂らす馨を亮平の手が撫でる。
「だ〜いじょうぶ。オレらがぜってぇ見つけっから。
な?」
「・・・・・(コクン)」
初めての馨の素直な態度に亮平、撃沈ーーーーー
▽▽▽▽▽
林に入り込み、最悪の視界のなかで目を凝らす宗昭。
「凛っ!!」
雨音と雷鳴で自分の声ですら聞き取りにくい。
日が落ちそうだ
もう
時間がないーーーーーー
チリン
鈴の音が
聞こえた気がしたーーーーーーーー
<*わんにゃん#>
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