こねことおおかみ/完結
4
▽▽▽▽▽
「どうしよ・・・今何時なんだろう・・・」
リュックはトイレに行くときに宗昭に預けたので携帯もなにも持っていない。
時間が経つにつれて凛は次第に心細くなっていた。
「どんどん暗くなってきちゃったょ、みゃーこさん」
ズキズキ痛む凛の細い足首は酷く腫れてしまっている。
『待ってるから』
宗昭の言葉だけがずっと頭に響いていたーーーーー
(むーくん心配してるかな・・・もう山、下りちゃったのかな・・・)
じっと右手を見つめる凛。
「・・・むーくん」
出会った時から宗昭の傍はとても居心地が良かった。
大きな体でさりげなくいつも自分を助けてくれていることに凛は気付いていた。
怖い顔でも自分を撫でてくれる手はいつも優しかった。
あの手が
あの温かい大きな手があるだけで安心できるのに
隣にいてくれるだけで寂しくないのに
さっきまでこの手と繋がっていたはずなのに
もうその温もりは残っていないーーーーーー
「・・・・こわいょ・・・・
寂しいよ・・・・
むーくん・・・・っ」
<*わんにゃん#>
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