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こねことおおかみ/完結
2
差し込む夕日が
ポツリポツリと、懺悔するかのような馨の声と相まってより寂しさを演出していた。



「・・・小さい頃、父さんにいろいろくっついてまわってるうちに自然と絵に興味をもったんだ。
 額の中のすべてが俺にはキラキラして見えた・・・・。


 
 
 それでいろんなところで画家の人たちと出会って
 まだ小さい俺に絵の描き方教えてくれたり
 いろんな話を聞かせてくれて。






 俺もフランスで絵の勉強したいって



 



 そのときからの夢だったんだよな・・・」




「若いうちに留学して、いろいろな刺激を受けるのはいいことだと思いますよ」


「・・・・・・・」



俯く馨の顔には影が差していてその表情はうまく読み取れないが

どこか思いつめたような
諦めに似た感情がそこはかとなく漂う





「・・・・・市村くんですか?」

「!・・・・・・・」

ピクリとした微かな反応を壮一は見逃さなかった


「その様子ですと、彼には留学についてはまだ話していないんですね」



馨と亮平の関係をどこまで見抜いているのか。
確信まで感じられる壮一の言葉に、馨は改めて彼の観察力の鋭さを感じる。




「・・・・・なんか、さ。わかんないんだ。


   今、自分がどうしたいのか」










「・・・・子供の頃からずっと夢だったのに」



















「なんか自分でもどうしたいのかよくわかんねぇ」





壮一に背を向けている小さな体は震えていた。



<*わんにゃん#>

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あきゅろす。
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