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こねことおおかみ/完結
2
騒がしい教室を一瞬で沈・・・静めた武下はどこかスッキリとした表情で教卓に軽く腰掛ける。

「そこらへんにしておけ岩倉。その可愛い猫はオレのお気に入りの都ちゃんだ。そんでなぁ、お前がなぜ平然とそこに立っていられるのか俺にはさっぱりわからん。その金髪と白髪の野獣に睨まれているのを少しは気にしろ。おまえが可愛い可愛いってさっきから撫でているのは



  猫の飼い主の方だ」







そう、岩倉は教室入室時の「可愛い猫」発言をした時からずっと

都ではなく凛の頭を優しく撫で繰り回していたのだ。


「おっと、本当だ」

「・・・・・・・」

はっと、今気づいたかのようにそう言いつつも、手を止めない岩倉にされるがままの凛。
その凛を膝に抱える宗昭はもの言いたげに岩倉に視線を送っているのだが、やんわりと笑顔でかわされる。




「岩倉せんせー、あんまりそれすると・・・・その飼い主の飼い主が怖いです」

宗昭の不穏な空気に気づいていた馨がそっと助言を入れてみるが。


「おや、こちらにも可愛い猫がいましたね」

「ねこ・・・・!?」


と、今度は馨を撫でる岩倉。

なんなんだ。
好青年過ぎる岩倉の言動は余りに堂々としていて誰もが対処に困っていた。
そんな中、馨の体がぐぃっと後ろに引っ張られる。

次の瞬間には馨は亮平の腕の中。


「ちょっとせんせー!かおるちゃんを愛でていいのは俺だけだから!」




じたばたと暴れる馨を顔色ひとつ変えずに抱き込む亮平。
じとーっと岩倉を睨みあげるが、どうやら通じないらしい。


「おや、どちらの猫にも素敵な飼い主がいるのですね」

仲がよろしいのはいいことです。と、嫌味のない笑顔だけを残して岩倉は武下とともに教室から姿を消したのだった。






「なーんかわかんないけど悔しいんですけどー」

「・・・・・・まぁな」


すべてを爽やかな笑顔でかわされ、なんとなく負けたような気になった亮平。
宗昭もなんとなくその亮平の言いたいことがわかった。


「ちょっ・・・離せー!」

「やーだよ〜」



機嫌が悪い亮平は腕の中の馨をさらに力を込めて抱きしめるのだった。




「・・・・・・・」

「・・・?どうした凛」










「・・・・・・みゃーこさん、誘拐されちゃった・・・・」












(武下の仕業)



<*わんにゃん#>

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