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こねことおおかみ/完結
変わらぬ教室
「ぶぇっくしょぃ!」

「ちょっ・・・かおるちゃん鼻!鼻水出てるから」

「・・・うるへー・・・」

恥ずかしそうにずずずっと鼻をすする馨にすかさずティッシュを差し出した亮平は、優しくその小さな顔に手を置き「ほら、ちーんして」と言って馨のツンツンを引き出して喜んでいる。


「風邪か・・・?」


膝で丸って眠る都を撫でながら、宗昭はプリプリ怒る馨に尋ねる。
遠目でバシバシッ!と机を叩きなにやら興奮している棗田と、その前でにこにこと笑う凛が視界に入り気にはなったが、そこは宗昭。
なんとなく会話の中身が想像出来たので、見なかったことにした。


「っぁーそうかもなー。最近めっちゃ寒いし・・・」

寝冷えかな・・・とかみすぎて赤くなった鼻をさする馨。

「まだ2月だしなぁ」



もうすぐ3月といえど、まだまだ寒さの残る時期である。
ついこの間バレンタインで浮き足立っていた校内も、卒業を控えた3年や年度の終わりという別の忙しさに空気が変わっていた。

とは言っても、1年生である自分達にはまだ関係ないな、とそんな雰囲気をよそに今日も今日とて1−Cの教室は相変わらずのんびりとした空間を保っていた。


「あれー馨ちゃん、お鼻赤いよ?」

「おう、おかえり」


教室の端からてけてけと戻ってきた凛は、宗昭の膝で眠る都をひょいと抱き上げ、自分が変わりにそこに収まる。
不満そうに鳴いた都は凛の腕の中で再度もぞもぞと丸まり、またすぴすぴと眠りについた。


「寝冷えだと」

「あちゃー馨ちゃん!ちゃんと温かくして寝ないとダメだよ?うさぎ着てる?あれ、とっても温かいから風邪引かないよ?」

宗昭の腕のなかでそれはそれは幸せそうな凛は

心も体も温かそ・・・・・

いや、



見てるこっちが暑苦しいくらいである。


「うさぎねぇ・・・・」



先日凛にもらったぱじゃまを頭に浮かべる。

ここはプライドを捨ててあのふわふわに包まれて眠るか・・・

いや、絶対に野田に鼻で笑われる・・・ダメだ・・・



うんうんと唸る馨を、不思議そうに眺める凛だった。




「俺ら昨日裸で寝ちゃったもんn・・・
「だぁーーーーー///!!」」







1−Cは今日も


のんびりとした空間を保っていた・・・・・。






「裸で寝ちゃったの?」

「掘り返すな凛のばかぁっ!//」

にゃん#>

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