俺だけを見ろ
視線を感じ読み古してボロボロになった雑誌から目を離すと、目を輝かしてフォックスが近付いてくるのが見えた。
「ファルコー!今日が何の日か分かるか?」
俺の座っているイスをくるくる回しながらフォックスが聞いてくる。
無視して雑誌に目を落とすと
「ファルコー!!」
雑誌を取り上げられ、代わりにフォックスが向かい合わせの格好で足の上に乗ってくる。
「退屈してんのか?フォックス…」
今度はフォックスが取り上げた雑誌に夢中になって俺を無視する。
フォックスの腰に手を回して、その先にある尻尾を弄ぶ。
引っ張ったり、摘んだりを繰り返していると尻尾が俺の手から逃れようと逃げ惑う。
それが可笑しくて必要以上に尻尾を追いかけてしまう。
「ファルコ」
さっきまで雑誌に夢中になっていたくせに
フォックスは不満げに俺を見上げていた。
「今日が何の日か分かるか?」
さっきと同じ質問。
さっきは無視した質問に、

今度は
「お前と一緒に居れる日」
何の躊躇いもなく答えてやった。




Thanks:) 黒介くん marioサマ


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