トーストとコーヒーと
トーストの軽く焦げた匂いと芳ばしいコーヒーの匂いをさせながらカチャカチャと食器が擦れ合う音が危なげに近づいてきやがった。
会いたくて仕方がなかったあいつが近づいてくる音に期待した心臓が高鳴る。
「ファルコ朝だぞ!!」
重たい目蓋を呼ばれるままに開くと
「起きたか?」
目の前にフォックスの顔があった。
「…ん」
寝ている間のたったの数時間会ってなかっただけなのに、心が、身体がまるで何日も会っていなかったかのようにフォックスを渇望していた。
「朝ご飯持ってきたからな」
こんなにもフォックスが大きな存在になるだなんて思ってもいなかった。
寝起きでまだ気怠い身体を動かして腕を伸ばしフォックスを捉える。
「こ、こら!危なっ」
俺の隣に居て当たり前、俺の腕の中に居て当たり前。
そう思うようになったのはいつからだろう。
食器の擦れ合う音と一緒にフォックスが俺の腕の中に崩れ落ちてくる。
目の前の頭に顔を埋めるとトーストの匂いよりも何倍も上手そうな匂いがした。
「ファルコ!!うわ、コーヒーがっ!」
こぼれ落ちたコーヒーがシーツを伝い背中を濡らしていく。
コーヒーの温度が冷めるよりも早く「なぁ、朝ご飯何かより」
腕の中でバタバタもがいていたフォックスを濡れたシーツに押し付ける。
「お前が食いたくなった」
目を限界まで見開いたフォックスの目を閉じさせて、トーストよりも何倍も美味いフォックスの唇にクチバシを押し付けたのだ。



Thanks:) justサマ


あきゅろす。
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