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〜 Remember my heart 〜
episode;05 アインハルト編 ver2.0
「そういえば、ここん所連絡も出来ていなかったな……」

俺の仕事が忙しすぎて、通信することもあんまりできていなかったし……。
あいつ、絶対に怒ってるだろうな。

――――――それとも、我慢してしまう性格だから、陰で泣いてるのかもな。


「……絶対彼氏失格だよな。俺」

《自覚してるのでしたら、さっさとあの子に連絡してあげてください。馬鹿マスター》

「……今回は反論出来ないな」



俺は、スクリーンを開き、彼女に通信を開く。
すると……。


『……お久しぶりですね、フィルさん』

「……本当に、久しぶりだな。アインハルト」


3ヶ月ぶりに見る俺の彼女、アインハルトの姿だった。



*      *      *


「今日は、何の御用ですか?」


本当に久しぶりの会話なのに、こんなぶっきらぼうにしか言えない自分が嫌になる。


『……本当にすまなかった。許してくれとは言わない。罵ってくれてかまわない……』

「怒ってるわけじゃないんです。でも、ほんの少しだけでも私のことを見て、欲しかったです……」


フィルさんの仕事が忙しいのはわかってるのに、それでも、少しは私のことをかまってほしかった。


『本当にそうだよな。こんなんだから、上司にも強制休暇を言われたしな……』

「!? それって、どういうことですか。ちゃんと説明してください!!」


すると、フィルさんはバツが悪そうに今回のことを説明してくれた。
ずっと、無休でしていた為、労働基準法違反になっていまい強制的に休みを言い渡されたこと。

それに伴い、精密検査をしたら、体のあちこちがボロボロでいつ倒れても不思議じゃなかったこと。


『……というわけだ』

「……ばか。本当に……ばか、です」



今回は倒れなったからよかったけど、このまま無理していたら、絶対に取り返しのつかないことになっていました。

何が彼女として、フィルさんのことを支えるだ。
私は、結局何もできていなかった……。

フィルさんがこんなになるまで気が付かなかったのは私のせいだ……。


そう思ったら、悲しくて、涙が止まらなくなって……。



『……結局泣かせて、しまったな。本当、最低だよな、俺』


――――――最低なのは、私です。
結局、フィルさんに甘えてばかりで……。

でも、ここで泣いていちゃだめ。
後悔するだけなら、何も意味ないから……。


「フィルさん、ということはしばらくは家にいるんですよね?」

『ああ、3日間といわれたけど、ティアとスバルに強制的に休暇を半月に延ばされた。とにかく、あんたは少しアインハルトのこと見てあげなさいってとことん怒られた……』


ティアナさん、スバルさん、本当にありがとうございます。
その気持ち、絶対に無駄にはしません!!


「でしたら、その間だけフィルさんの家に……泊まりに行っても、良いですか?」


男の人の家に泊まりに行くなんて、普段の私なら恥ずかしくて言えないけど、フィルさんのことを癒してあげたい。今はその気持ちでいっぱいだから……。


『俺は寧ろ歓迎だけど、本当にいいのか?』

「はい、こんな機会がなかったら、きっと、恥ずかしくて言い出せませんから……」


ヴィヴィオさんじゃないですけど、女は度胸と言います。
私は、お泊りセットを用意し、近くのスーパーに寄ってからフィルさんの家に向かうことにしました。



*      *      *



「さて、何を買っていきましょうか」


フィルさんの身体は、かなり疲れてる。
だから、ボリュームのある肉料理とかじゃなくて、胃にやさしい料理の方がきっと喜んでくれる。


「よし、今日は野菜の煮物とかを中心にしましょう!!」


カゴにニンジン、ゴボウ、こんにゃく、鳥のもも肉、あとは、おかゆ用の梅干し……。


「これで、材料はそろいました」


後は、清算するだけになったところで、後ろから女性から声をかけられました。


「よう、アインハルト」

「の、ノーヴェコーチ!?」


ナカジマジムのノーヴェコーチにここで会うとは思わなかった。
いつもだったら、練習の時間ですし……。


「す、すみません!! 今日は突然お休みしてしまい……」

「気にするなって、スバルとティアナから事情は聴いてるから。フィルのことだろ」

「は、はい……」

「あいつ、本当にワーカーホリックだよな。自分の彼女のこと、ここまでほっといてるんだしよ……」


それについては否定できません。
フィルさん、自分のことは二の次にしてるんですから……。


「まぁ、せっかくティアナたちがフィルのこと無理矢理休みにしたんだし、この機会にお前もしっかり休め。最近のお前、オーバートレーニングになってしな」


言われてみれば、フィルさんと会えない寂しさから、ずっとトレーニングに明け暮れていた気がします。


「どうせ今日からお泊りでもするんだろ。フィルの休暇中はお前も休みにしておくから、思いっきり甘えてこい。欲求不満も『いろいろ』溜まっているだろうしな♪」


色々の意味が分からないほど、私、少女じゃありません。
フィルさんにいっぱいしてもらってから、そういった意味だって分かります!!


*      *      *



「というわけです……」

「ノーヴェのやつ、何考えてやがるんだ……」


さっきのことをフィルさんに言うと、フィルさんは思いっきりため息をつき、呆れてる様子だった。
でも、これはフィルさんにも原因があるんですからね。


「でも……。フィルさんが、その……私を、抱きたいっていうなら……」

「……すまん、今、お前にそんなこと言われたら、欲望のまましそうだ」

「良いですよ……。私、フィルさんのこと、全部受け止めますから……。身も、心も……」


フィルさんが私のことを求めてくれるなら、いつでも受け止めてあげたい。
私もフィルさんに抱かれてると、とても安らぐから……。


「でも、今はやめておく。今は……」


そう言って、フィルさんは私をそっと後ろから抱きしめて……。


「あっ……」

「お前が作ってくれる手料理を、食べたいから、な」

「……はい。私、頑張って作ります。だから、期待……してください、ね」


私は、フィルさんの頬にキスをし、キッチンに向かった。
普段の私だったら、こんなことしないけど、やっぱり今日は大胆になってるかな。



*      *      *



「はい、あーん、してください」

「ま、マジか……」


フィルさんが固まってしまってるが、私は絶対に譲る気はない。
いつも、私がフィルさんに甘えてばかりいるんだから、今日くらいは逆にフィルさんが私に甘えてほしい。


「な、なんかすごく照れるんだが………」

「わ、私だって恥ずかしいですよ。でも、今日はフィルさんに安らいでほしいから……」

「……そっか。だったら、お言葉に甘えるよ」


フィルさんは、照れながらも口を開けてくれて、私は一口おかゆを食べさせる。


「……おいしい。すっごくやさしい味だよ」

「……よかった。少しだけ、お塩控えめにしたんです」


塩を多く入れると、味は良いんだけど、塩分過多は体にはよくない。
元々、私もフィルさんも薄味が好きだから、塩よりも出汁で食べさせるように作ったのだ。


「なんか、こうしてもらうと、とても温かい……」

「でしたら、いつでも私がしてあげます。だって、私は……フィルさんの、彼女、ですから」

「……ありがとう、な」


愛は与えられるだけじゃダメ。
自分からも愛する人に与えなくちゃ、愛とは言えないから……。

もう、私たちに言葉はいらなかった。


「……んっ」


どちらからともなく、私たちは互いを求めあうキスをしていた。


「……悪い、もう、限界、かも」

「……私も、です」


私たちは、フィルさんのベッドに行き、互いになにもかも脱ぎ去り、生まれたままの姿で互いの身体を求めあった。


「……あ、んっ。 胸……そんなに、吸わない、で」


いつもだったら、もっと優しく抱きしめてくれるのに、今日はちょっとだけ乱暴に私のことを貪る。
でも、不快じゃない……。

むしろ、フィルさんが私のことを愛してるって、いっぱい伝わってくる……。
左胸を少し強めに揉まれ、右胸は何度も舌を這わせて、時には優しく、時には強めに責められる……。


「……私の胸、好きですか?」

「ああ……。アインハルトのおっぱい、とても、柔らかくて、気持ちいい、よ」


普段なら、卑猥な言い方はしないのに、今日は卑猥な言い方もしてくる。
ずっと、こうして抱かれなかったから、互いに興奮してるのかも……。

私も、フィルさんに卑猥な言い方をされて、とても感じてしまってますし……。


「……だったら、いっぱい、して、ください。私の、身も心も、あなたの、もの……ですから」


感じすぎて、喋るのも少しつらいけど、これだけは伝えたかったから……。
フィルさんは、私の言葉に応えてくれるように、胸だけでなく、舌を背中に這わせ、お尻の方も何度も触れ、全身をくまなく愛してくれ、私は感じすぎて、気絶しそうになる……。


「……いくぞ」


その言葉がきっかけとなり、私とフィルさんは一つになる。


フィルさんは、私のことを何度も愛し……。


私も、その愛に応えたくて、何度もフィルさんのことを受け止めた。




*      *      *



「いっぱい……して、くれましたね」


私の身体には、フィルさんが愛してくれた証がたくさんついている。
特に胸には、ほかの部位よりたくさんキスマークがある。


「フィルさんって、本当に胸がすきなんですね……」

「……自己反省、します」

「良いですよ。フィルさんが、他の女の人の胸に興味を持たなければ……」


私の周りの人は、本当に素敵な女性が多い。
その……胸の大きい人だって、たくさんいますし……。


「それはないから。少しは自分の彼氏を信用しろって言っても……。ほっといたのは、俺だから強く言えないが……」

「……そうですね。ほっとかれたのもそうですけど、ベッドの下にある本は、さすがにジェラシーです」


さっき、たまたま見つけてしまったんだけど、こういった本に頼られるのは、彼女として傷つくんですよ。
自分に魅力がないって思ってしまうから……。



「……その様子だと、全部、見たってことだよな?」

「はい、全部見ました。だから、こんな本に頼らなくてもいいように、今日は沢山愛してもらいます……」

「……お手柔らかにお願いします」

「い ・ や ・ で ・ す。 今まで愛してもらわなかった分も含めて、フィルさんの休みの間は、沢山、してくださいね♪」


フィルさん、普段の仕事面については、もう言いません。
でも、性欲を他のもので発散するのだけは絶対に許しません!!

それだったら、私に言ってください!!

覚悟してくださいね、フィルさん♪



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