◇見つめるきみへ。 突然に それは突然だった。 寝坊したせいで、いつもよりも遅く家を出たその日。 雪が少しつもっている中、俺は見慣れた姿を前方の公園で発見した。 ここは近いから俺がいつも通る公園。 あいつ。なんで? 今日も朝からキリッとした姿。 ブレザーの上からは指定のコートをはおっていて、いつもより男らしく見えた。 こんな時間に学校行くのか…? 普段下から見上げていた人物が前にいるのはみょうな感じがする。 少し気恥ずかしい気がして、俺は観察するのをやめた。 つーか、勝手に見て、想像して、ストーカーみたいじゃん。 ブンブンと頭を降るとまた前をみる。 どうやら、あいつは誰か待ってるらしい。 俺は後ろを振り返る。 誰もいないよな。 ……。 …ま。俺には関係ない。 しかしながら、いつもこっちは意識していただけに、前を通るのはかなり勇気がいる。 …平常心。平常心。 俺は覚悟を決めて、足をすすめた。 ……。 サクサク… ……。 このまま通り過ぎて… 「君。」 「え?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |