版権ノベル ファーストキスをもう一度。(FF] ティ*アロ) リュックが好きだ。 ルールーが好きだ。ワッカが好きだ。キマリが好きだ。 ユウナが、好きだ。 ……アーロンは? 「好き、なんだけどなあ…」 「本人を目の前に悩まれても面倒だが」 心底言葉の通り面倒だと言う表情と共に、素っ気ない返事が返ってきた。確かに言うとおりだ。 そんな態度をとられても、嫌いではない。むしろ好きな筈。 なのに、皆とは何かが違うアーロンへの感情。 分からないからモヤモヤして鬱陶しい。 「アーロンは…オレのこと好きッスよね?」 取り敢えず確認。うわ、苦い顔。 だけど確かに、言うとおりの筈。しかもユウナや他の仲間に向けるのと違う意味でアーロンはオレのことが好きだ。 いつも一緒にいた。オヤジの頼みだけじゃなく、多分アーロンの意思でも。 じゃなかったら――… オレはファーストキスを奪われなかったから。 あのキスの所為なんだろうか。この切ないくらいきりきりと痛む感情は。 「…悪かったと思っている。」 「あのキスは事故だって言うのか?」 「俺の意思だ。」 だからもうこの話はおしまいだ。ぐるりと背を向けると、宿屋へ向かって歩き出した。え?アーロンが決めんの?いやいや我が道行くっつっても限度はないのかよ。 「待てよ アーロン!」 「話は終わった。」 「終わらせんな!」 慌ててその背中にすがりついて、進行方向に回り込んだ。 「アーロンに限って…っ、キスは遊びじゃねーよな!?」 「…何が言いたい。」 オレの意図が見えなくてイライラしているのがわかる。アーロンにとってあまり思い出したくない自分の行動を掘り起こしてうだうだしてれば必然だろう。でもそれがオレには必要なんだ。 「好きじゃないかもしれないから、」 ひゅ、と息を呑む音がした。動揺してる。あのアーロンが、 でも答えた言葉は一言「そうか。」 隠して、隠して、隠して、心のうちは言わない。 「ユウナには話すな。ガード同士の問題を召喚士に心配させる必要は無い。」 違う。オレがほしいのはそんな言葉じゃない。 アーロンの感情はなんだ?アーロンはオレにどういう思いを持ってキスをした? アーロンはオレに、 「恋してる…」 「…な、」 「アーロンは恋してるんだ、オレに」 「冗談はよせ」 「皆との好きとは違う。そうだ、そうなんだ。じゃあオレ、アーロンに恋してるんだ。」 「自己完結するな。」 「アーロン、」 「な…んだ、」 「キス、していいスか?」 本当のファーストキスをもう一度。 ―――――――――――― おっさん受きゃっほお。 アーロンはうっかり仔てぃにちゅーしちゃった設定。多分寝てる仔てぃ。うっかりバレた。そんなん。 [*前へ][次へ#] |