New Year 4 ネイソリ?
「……留守か?」
インターホンを押して数分後、彼はポツリと呟いた。
返事も物音も無く、人が出てくる気配もない。
最近では新年に閉まっている店の方が少ないくらいだ、外出中だとしても不思議は無いだろう。
そうでなければ何か事情があって出てこれないかだが、そんな事情など俺が知る筈もない。
「どうする、これ」
持ってきた分では最後になった重箱を軽く揺らす。
残りは、家に置いてきた一つだけだ。
……そういえば散々配った後でなんだが、中身は本当に大丈夫なんだろうか。
スネークはしばらく黙って扉を眺め、置いていく、とだけ言った。
「腐る心配もあまり無いし、後で電話を入れる」
「だが、長期の旅行とかだったら……」
「大丈夫だ」
彼はひょいと俺の手から重箱を奪い、適当に邪魔に成らない所に置いた。
間髪入れずに、俺を引っ張り歩きだす。
その有無を言わせぬ様子に、俺はただ驚いたまま引き摺られる事しか出来なかった。
「どうした?」
「声が聞こえた」
「居るなら挨拶くらい……」
「『取り込み中』の様だ」
「……あぁ、成る程」
「元気そうで、何よりだ」
「元気すぎるのも、困りものだな」
――――
真っ最中でした。
わっふるわっふる。
090104
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