alteration ネイソリ?









 驚きはしなかった。
 呆れにも似た脱力感に全身を支配され、息をするのも難しくなる。
 息苦しくなったのは、多分他の要因も有るのだろうが。


「思いあたる原因は?」
「オタコンが持ってきたシュークリーム」
「あれに盛られてたのか」
「ナオミから貰ったと言ってたか。……気付くべきだったな」


 シーツに残る暖かさが、世界で一番愛しく思える朝。
 俺は俯せのまま頭を抱え、彼は隣で半身を起こして苦笑した。
 普段よりかなり細い腕を組み、滑らかな線を描く肩を竦める。


「良い友達を持ったな」
「……俺もそう思うよ」


 彼の少し縮んでしまった上半身の胸には、美しい曲線を描く膨らみが二つ。
 俯せになっている俺の肺を圧迫するのも、恐らくはそれと同様のもの。
 見上げた顔もやはり変化している様だ。
 碧色の眼は少し大きめに、顎のラインも細く、全体的に小顔に。
 ぼさぼさの髪を整え、化粧をすれば美女と呼んでも差し支えはないだろう。


「なぁ」


 それでも桃色の唇から紡がれる声は、変わらない彼の声で。


「何だ」


 妙に、胸が騒ついた。



「付いてない同士だと、どうヤるんだ?」



 罵倒か無視かという対応の選択に手間取ったのが、敗因だ。
 柔らかく軽い体に組み敷かれながら、俺は後悔を噛み締める。


「ま、やってみれば解るか」


 嬉しそうな呟きと共に降る甘い口付けに。
 何だか全てがどうでも良くなって、俺は意識を手放した。




――――

百合? ああ、綺麗な花ですよね。
可憐で清純な雰囲気が素敵だと思います。
花は良いですねー。心が洗われます。

080815


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