pillow ダルスネ



 晴れた午後。


 コーヒーを飲みながら、のんびりとDVDで映画を観賞する、優雅な休日。
 追い掛けていた仕事を片付け、ようやく勝ち取った時間だ。
 何より、久しぶりにスネークと二人きりで居れるのが嬉しい。


「今のシーン、笑う所か?」


 にやにや笑いが止まらない俺を見てだろう、彼は真顔でそんな質問をする。
 首を振って否定すると、スネークはそれ以上追求せずに視線をテレビ画面に戻した。


 彼も俺も、口数の多い方ではない。
 役者の芝居がかった台詞だけが、部屋に響く。
 ひょっとしたら、疲れも溜まっていたのかもしれない。


 ふと落ちそうになる目蓋を苦労して押し上げれば、そこには映画に見入る彼の横顔。


 ずっと傍に。
 守りたいと願う。
 日々を過ごし、
 共に在る。


 その唇が、言葉を紡ぐ。
 役者と彼の口の動きがシンクロする。


 残念ながら、声は聞こえなかった。





 目を開けると、世界が横倒しになっていた。

 勿論、横倒しになっているのは俺の方だ。
 何時の間に眠ってしまったのか解らない。
 そう長くは眠っていない筈だが、と体を起こそうとして止めた。

 彼の恨めしげな視線を、苦笑で受け流す。



「……枕が硬いぞ」
「自分から倒れこんできておいて文句言うな」
「文句じゃないさ。俺は硬い枕が好きなんだ」



 守りたいと願う暖かさに、
 守られているのは俺の方。



「もう一眠り、してもいいか?」





――――

ダルトン君って刑事なんだぜ!
凄い健全な職業みたいに感じるなぁ。

膝まくら! 硬い!

080703


あきゅろす。
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