crazy for you ネイソリ
「今日は、いい天気だな」
視界が白んでいく。
赤い命が流れ出す。
痛みは熱さに変わった。
だけど、ひどく、寒い。
彼は微笑んでいる。
窓の外を見つめて。
手には殺しの道具。
「散歩にでも行くか」
言葉を紡ごうと開いた口から零れたのは、違うもの。
それでも伝えたい言葉があって、吐き出して、声を絞りだした。
「きょ……は、曇り、だ」
彼が、濡れてしまわないように。
彼は自分のこめかみに銃をとんと当てた。
「それじゃ、やめとこう」
貴方が濡れてしまわないように。
引き金にかかった指が、強く曲がった。
――――
マッドな気分になったからマッドな文章を書こうと思ったんだって。
ヤンデレ嫌いだけどね。
中に誰も居ませんよは恐い。
080310
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