close ソリリキ



 せめて眠っている間だけは、
 好きだと素直に言わせて欲しい。



 そっと頬に触れると、むにゅ、と間抜けな声で唸る。
 軽くつねってやると、弱々しく眉根を寄せた。
 眠っている人間を弄ぶのは、趣味の悪い事だと自分でも思うが、


「……起きないな」


 結構楽しい。

 普段から奴にはなんだかんだと良いようにされている復讐でもある。
 悪戯程度ではあるが。

 気紛れに、首のあたりに触れる。
 奴は擽ったそうに身を捩ったが、気にせずに指を滑らせた。
 きゅ、と眉間の皺が深くなる。

 軽く笑って、囁いた。


「あいしてる」


 目を閉じていれば言える。
 目を閉じていなければ言えない。

 このまま喉に爪を立ててしまおうか?

 目を閉じていれば、言えるのだから。
 目を閉じていなければ、言えないのなら。


「俺の方が、あいしてるよ」


 囁く声は、近く、擦れ。
 俺は滑らせていた手を止めた。



 彼の目は開いていたけれど、
 何故か素直に笑う事が出来た。




――――

むにゅ可愛いよむにゅ。
あの無線だけは何周しようが絶対聴く。
そして悶える。

080427


あきゅろす。
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