thirsty ネイソリ



 

 風呂上がりというのは何故こんなにも喉が渇くのか。
 そんな疑問を持ったからではないが、俺は冷蔵庫の前に立っていた。
 扉を開く。
 冷気で満たされた中は空きが目立ち、明日にでも買い物に行かなくてはと、ぼんやり思った。

 ペットボトルに入った水で喉を潤すと、彼がのこのこと近づいて来た。


「喉が渇くな。水くれ」
「ん」


 差し出したペットボトルを彼は避け、俺に顔を近付けてくる。
 俺はその顔を鷲掴みにし、押し返そうと力をこめた。


「……水は俺の右手にあるのだが?」
「飲ませてくれるんだろう?」
「頭から被って皮膚で吸収したらどうだ」
「冷たいから嫌だ」


 我儘なのか、アホなのか。
 ぐぐぐ、と彼は力任せに俺の腕を頭で押し返す。


「お前の先祖はカブトムシか何かだな」
「じゃあお前の先祖もカブトムシか何かだな」


 それは正論だ。
 アホの癖に。

 ふっと腕の力を抜くと、力をこめた反動で彼の頭は勢い良く前進した。
 水で冷やされた唇が、いくばくかの熱を持った唇に触れる。


「……満足か?」
「まだだな。まだ、渇いてる」



 ニヤリと笑いながらこちらを見る彼の眼から視線を逸らしながら、俺はまた水を喉に流し込んだ。




――――

うぉーたー!!

取り留めもない文章の見本みたいだ。
やはりテーマ決めないと駄目駄目再確認。

080417


あきゅろす。
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