happiness ダス雷



「なぁ……」


 うとうととまどろんでいた私の腕の中で、彼は小さく声を上げた。
 視線を降ろすと、彼は僅かに身体を動かしてこちらを見上げる。
 くすぐったさを感じながら、私は彼の額に唇で触れた。


「……どうかしたか?」
「今、ふっと思ったんだが」


 とくん、と彼の心臓が動くのが解る。
 穏やかな、一定のリズムを刻みながら。
 それでいて止まることの無い。



「俺は今、『幸せ』なのか?」



 ふわりふわりと浮かび上がり、
 掴もうとすればはじけて消える。



「……私は、幸せだ」


 気持ちを、素直に言葉にする。
 頬を軽く撫でると、彼はくすぐったそうに笑った。



「なら、俺も幸せだ」





――――

屋根まで飛んで壊れて消えた。
しゃぼん玉セットというおもちゃは何故あんなにも魅力的なんでしょうね。

080415


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