error ヴァンライ


 

 にっこりと笑いかけてきた奴の笑顔が、俺を唖然とさせた。

 それは今まで凄く欲しかった、けれど中々手に入れられなかったもの。


「お前……どうかしたのか?」
「何がだ? 偶然会った知り合いに挨拶しただけだろ」
「お前は俺に対してもっと……」


 ぴっと奴の人指し指が立ち、俺の唇に押し当てられる。
 キスの代わりだと言う様に。

 僅かに目を細め、柔らかい笑みを浮かべて首を傾ける。


「ツンツンしてる俺の方が好きか? ヴァンプ」
「……どんなお前でも、愛している」


 ふふと奴は恥ずかしそうに笑って、目を閉じた。
 俺は誘われるままに顔を寄せ、唇を重ね……。


「……ツンツンどころか俺ですらないが、本当にそいつでいいのか?」


 多量の怒気を含んだ声。
 目の前の男のそれと良く似ている。
 しかし目の前の男は口を動かしてはおらず、声は背後から聞こえた。


「残念。時間切れだ」


 目の前の男はぱちりと眼を開け悪戯っぽく笑うと、素早くきびすを返し駆け出した。
 それを追わず後ろを振り向けば、同じ顔をした男が複雑そうな顔をして立っている。

 彼は何か言いたげに口を開いたが、苛立たしげにため息を吐き、呆れた様に笑った。



「……さっきの言葉、信じるからな」




――――

少佐はしゃぎすぎ。

人間違いネタ良いなぁ。
オセだと匂いで解りそう。

080408


あきゅろす。
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