feed on one another ネイソリ




「美味そうだな」


 嬉しそうな声に顔を上げると、彼はこちらを見てにやにやと笑っていた。

 俺は別に料理をしているでもなく、食物を持っている訳でもない。
 持っている物と言えば読んでいる新聞くらいだが、彼は山羊ではない。
 テレビは消えている。彼が先程まで昼寝をしていたからだ。

 俺は肩を竦めて、笑ってみせた。


「何がだ?」
「お前」


 ばさ、と新聞を取り落とす。
 思い切りため息を吐く。


「お前は俺の事まで食料か何かだと思ってるのか」
「でかくて喰いがいがありそうだ」
「硬くて不味いだけだ」
「喰ってみなきゃ味は解らんな」


 新聞を拾おうとした手を捕まれ、強く引かれる。
 バランスを崩され、支えられる。

――捕まえた。

 葉巻の匂いと、苦い味。


「中々いけるじゃないか」
「……っ、共食いめ!」




――――

パラレル(笑)

同い年くらいで(ネイがちょっとお兄さん)仲良しこよしだったらいいなぁ。


あと共食いって言わせたかっただけ。

080308


あきゅろす。
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