fool ソリリキ


 

 お前なんか嫌いだ。
 死んでしまえばいい。
 声を聞くと吐き気がする。
 姿を見ると目が腐る。

 も一度言う。
 お前なんか嫌いだ。



「お前が好きだ」


 俺が言うと、奴は目を丸くして口をぽかんと開けた。
 いつもの態度を考えれば当然の事だが、今はそんな事に構ってはいられない。
 言葉を続ける。


「ずっと前から。お前の事を考えると、心臓が壊れそうだった」
「……リキッド、お前変な物喰ったか?」
「ナルシストと呼ばれても構わない。お前が好きだ」


 顔は熱いし、視界は潤む。
 だが今、言わなくてはいけない。



「お前は、俺の事が、好きか?」



 ふっと、笑った気配がした。



「ちょっと口が悪かったり、文句が多かったり、素直じゃなかったりするが、俺もお前が好きだ」




 零れそうになった涙を無理矢理引っ込めて、俺はとっておきに意地悪な顔を作り、笑う。


「全部嘘だ。今日は」
「エイプリルフールだろ?」
「……っ、誰が貴様なんか好きになるか! 馬鹿め!」
「何でいっつもこの日しか可愛くならないんだろうな、お前」
「嘘だからに決まってるだろうが!」
「まぁそんな所も可愛いが」
「だから俺は、」



 嘘を吐いただけ。
 素直になった訳じゃない。

 何度でも言おう。
 愛してるの代わりに。


「貴様なんて大嫌いだ!」




――――

エイプリルフールということで。
考えてたら珍しくリキたんが出張ってきた。
デレてます。

お、俺PS3百万台もってるもんね!


080401


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!