solitude ソリ雷
一人になっても泣かなくなったのは、何時からだっただろう?
テレビは真っ黒な画面を写し、俺はコーヒーを傾ける。
外は無性に晴れていて、不思議と静かだ。
机の上には、乱暴に破られたメモ。
一人きりの部屋で、ぼんやりと考える。
孤独を恐れた事なんて無かった。
戦場では誰もが孤独だったし、それが当たり前だった。
誰かを信じるなんて考えられなかったし、信じられる筈が無いと思っていた。
信じれば裏切る。
孤独であれ。
孤独は俺を裏切らない。
けれど、俺は人を信じた。
差し伸べられた手を取って。
孤独は恐い。
けど、幸せだ。
信じられるから。
くしゃり、と頭を撫でられる感覚。
目を開けると、彼の笑顔。
「泣かなかったか?」
「……泣く訳無いだろ」
「おかえり、スネーク」
――――
帰宅記念。
おかえりって言わせたかった。
それだけ。
080401
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