absolute ダス雷




 去り際に手首を捕まれて離せと怒鳴ったら唇を塞がれた。
 入って来る舌を拒絶する暇もない。
 抵抗しようと振り上げたもう一方の手は、振り下ろす前に封じられる。

 抵抗も出来ない。
 逃げることも出来ない。

 唇が離れると、肺が酸素を求めた。
 眩暈がする。


 喘ぐ俺を、そいつは冷ややかに見下ろしていた。


 落ち着かない呼吸。
 心臓の鼓動は激しい。
 ふらつく足元。
 触れている温度。

 目の前が滲んだ。


「……お前なんか、嫌いだ」


 口の端が吊り上がる。


「愛しているよ、私のジャック」



――――

暗い。
広げるのが面倒だったんだと思う。

どうにもソリダスが駄目な子になってしまうなぁ。

080307


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