morning ダス雷


 


「じゃあ、行くが……本当に大丈夫か?」
「その台詞、八回目だ」


 時刻は早朝。場所は玄関。
 私はきっちりとしたコートを着込み、彼はラフな部屋着を着て。
 彼はまだ眠たそうに目を擦り、私は多分不安そうな顔をしている。


「別に一日くらい一人で平気だって」
「いやしかしな……」
「何かあったらスネークに頼む」
「……それもそれで不安だ」


 私が留守にして居る間に彼に何かあったとしたら……考えただけで血の気が引く。
 そんな私の気も知らず、彼は呑気に欠伸をして悪戯っぽく笑った。


「ああ、浮気すると思ってるのか?」
「そんな訳無いだろう!」
「何か必死だな」
「ジャック――」


 困り果てた私の頬に、彼の冷たい手が触れる。
 穏やかな微笑みが近づく。


「心配するな。俺はアンタが思ってる以上に、アンタに夢中なんだ」


 ああ、全く。
 私は彼に甘すぎる。


「出来るだけ早く帰るよ」
「じゃ」


 部屋に戻ろうと身を翻した彼の腕を掴んで、引き寄せる。

 頬に軽いキスを。



「行ってきます」



 帰って、続きを。




――――

思ってる以上に夢中、って言わせたかった。

基本的に馬鹿ップル親子。
お父さんは心配性。

080321


あきゅろす。
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