tongue ヴァン雷


 


 あいしているという。
 くちづけをかわす。
 だきしめる。




「離せ……離せっ!」


 振りほどけない腕に、苛立ちが募る。
 血の味がするほどに強く唇を噛むと、奴の表情が曇った。


「噛むな。綺麗なピンクが台無しだ」


 音もなく腕が伸びてきて、顎を掴み口をこじ開ける。
 容赦無く入り込んできた舌は、俺の口内を散々に引っ掻き回していく。


「……っう」
「赤もよく似合うがな」


 吸血鬼は長い舌で血を舐め取り、満足気に笑う。


「真赤に染まるまで抱いてやる」


 夜は永い。


「愛している、雷電」




――――

きっしょい!

ヴァンプゾーンにはまってしまった雷電は、この後ヴァンプファントムでやっつけられるんだと思います。
舌が長いイメージがあるけど、それはフィアーさんですね。

080316


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