game ソリ雷

 
 


「……どうして勝てないんだ!?」
「お前が弱いんだ」


 食って掛かると、彼は呆れた様に手を振った。
 イカサマなどしていないという意思表示だろうか。
 無性に腹が立って、その手を強めにはたいた。

 勝負を始めた理由は忘れてしまった。
 確か二時間前は普通に話をしていた筈なのだが。

 何がどうなって、今俺はテーブルの上にトランプをぶちまけているのか。


「しかも連敗だ。一回も勝ててない」
「超弱い」
「やかましい! もう一度だ!」
「その前に」


 はたかれた手をさするのを止め、彼はすっと目を細めた。


「罰ゲームの時間だ、雷電」


 ゲームを始めた理由を忘れたついでに、罰ゲームの存在も忘れていたかった。
 二時間前の自分を呪う。
 というより、目の前でそ知らぬ顔で煙草をふかしている奴を呪う。


 掻き集めたカードをきちんと揃える。

 ため息を飲み込んで、言葉にして吐き出した。



「き、今日も沢山可愛がって下さい。ご主人様……」




 沈黙が痛い。
 上目遣い、涙眼でというリクエストまで完璧にこなしたのに。



 ちらりと様子を伺うと、彼は平然とした顔でふうと息を吐いた。


「何か言えよ」
「いや、な」



 勝負をし始めた理由が『ポーカーフェイスの上手さ』という話題だった事を思い出す。




「オタコンの気持ちが、少しだけ解った気がしたんだ」




――――

スネーク、君も……オタクかい……?の道を少し進むの巻。
少しってレベルじゃないか。

モビルスーツがメイド服着てたら萌えるだろうか。

080315


あきゅろす。
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