hand ソリ雷


 


 唐突に右手を捕まれたので、思い切り煙草を取り落とした。
 幸い落ちた先は灰皿だったので、左手で押しつけて火を消す。
 その間、雷電は捕まえた右手をじっと観察していた。


「……俺の手がどうかしたか」
「でかくて羨ましい」


 つねったりなでたりと正直くすぐったい。
 それでも、振り払う気にはなれなかった。


「あまり変わらないくらいじゃないか?」
「いや、スネークの方がでかい」


 雷電は俺の右手を解放し、今度は自分の左手を突き付けてきた。
 比べるように重ねる。確かに、俺の方が少し大きい。


「アンタの手、好きだ」
「手、だけか?」



 ゆっくりと指を折り曲げて、今度は唇を重ねた。




――――


手がでかいと素敵なんじゃなーいと思った。
そんくらい。

080314


あきゅろす。
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