refuge ネイダス




「……今度は何をしたんだ?」
「ちょっと台所でナニを……」


 この男が現われるのは、決まって彼らが喧嘩をした時だ。
 理由は様々だが、漏れなく下らない事ばかり。
 恐らく喧嘩の際に殴られるか蹴られるかしているのだろう、必ず小さな怪我をして。
 私は眼前の男の赤く染まった頬を見つめながら、わざとらしくため息を吐いた。


「今日はビンタか」
「あぁ。凄く痛かった」
「ビンタされる様な事をしなければ良いだろう」
「ビンタされる様な事をしたつもりは無いんだがな」


 ネイキッドはとぼける様に言って、小首を傾げた。
 ジャックが同じ仕草をしたのなら、きっと私は抱き締めていた。

 そのジャックは、今はソリッドの所に行っている。
 恐らく、愚痴に付き合わされている事だろう。


「したからされてるんだろうが」
「確かに、シたからされた」


 半眼で睨むと、ネイキッドは唇の端を上げた。


「……愛想尽かされても知らんからな」
「あいつに愛想尽かされたら、老後の面倒はお前に頼むよ」
「嫌だし無理だ。私ではな」


 この男の面倒を見れる人間など、あいつくらいしか知らない。
 リキッドや私には出来ない事を、あいつは簡単にやってのけるのだから。


 この男を愛するという事を。



「お前も、あいつ『が』良いだろう?」



 ネイキッドは曖昧に笑う。









「……そうでも無いかもな?」
「は」


 ここでそうは答えないだろう、流れ的に考えて。
 意外な答えに気をとられ、ふと意識が途切れる。


 慌てて繋いだ次の瞬間感じたものは、頬を掠める柔らかい感触だった。




――――

ネイソリダス雷ネイダス。
もう訳解らんぞ!
ネイの介護とかリキさんは嫌がりまくるだろうなぁ。

080711


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