快楽 X

「ん、んんん──!」
 初めての体験と感触には、すっかり骨抜きにされた。与えられる刺激があまりにも気持ちよすぎて、背中を仰け反らせては身を震わせる。グチュグチュと扱かれたペニスは、とうとう熱を集めて疼き始めた。
「ん! ふんんんっっ!」
 触れられ、与えられる快感に鼻息は荒くなり、僕は苦しさに声を大にして叫ぶ。けれど、先生はそんなことをお構いなしに、もう一つのチューブを、あろうことか尻の奥窄んだ場所に突きつけてきた。
「ん、んん────!?」
 解熱剤を挿すより不快感。
 半液体の絵の具がアナルの中に放たれると、冷たさと気持ち悪さに、僕は目を見開いて目の前の人物を見つめた。
「大丈夫、すぐ気持ちよくなるよ」
 そう言って、ペニスを扱く手とは逆の手で尻の割れ目をなぞると、絵の具の入った窄まりに指を突きつける。
「――っ!」
 再び襲う不快感に、僕は堪えきれないように身じろいだ。濡れた穴に食い込む指は潤滑もよく、出入り口の内壁を擦っては奥に入っていく。
「……ん、んんっ!」
 グチュグチュに掻き回され、熱を持ち始めたペニスを同時に扱かれると、僕は息を荒くして興奮に身悶えた。
「朔君」
 先生が呼ぶ声も遠くに聞こえる。
 頭が真っ白になり、朦朧としてくる中、突如としてその快感は奪われた。
「……?」
 不思議に思いその姿を追うと、先生は絵の具にまみれた手で自分のスーツのベルトに手をかけている。
 僕は驚きのあまり生唾を飲み下して荒い息を吐き出した。先生はあろうことか、僕のアナルに自分のものを挿れようとしていたのだ。
「……んっ、んん、んんんっ――!」
 慌ててばたつかせる足を押さえつけられ、先生はズボンもパンツも下ろした半身を突きつけてきた。
「んぐ……んんんんん───―!」
 電気のように身体を突き抜ける痛みに、危うく僕は気を失いそうになった。
 ――痛い。
 男性との初めての性交に、僕は知らないうちに涙を零していた。けれど先生は全くお構いなし。
 ヌチュヌチュと音を立て、激しく腰を打ちつけてくる行為にただ歯を食いしばって堪えるばかり。
 ――早く終わって欲しい。
 そう願いながらも、身体の中心でははけ口が見つからずに涙を流すペニスが、いまだに自己主張を続けている。
「んっ、んん……ふ……」


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あきゅろす。
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