チョコレートパフェ

 ──言葉に出来ない気持ちを貴方に伝えたくて。



 “好き”とは簡単に言えるのに、“愛してる”と軽々しく囁けないのは、本当に君を“大切”に思っているから。


「映画始まるぜ?」


 待ち合わせの喫茶店。
 甘党の君は年甲斐もなく、

『チョコレートパフェ』

 満足そうに愛しみながら、大事に食べる。


「残したらもったいないよ」


 そう言う君を、無理に立たせて映画館にダッシュ。
 不満そうな君に軽くほんのり口づけて、甘い一時。
 君の唇に残るバニラアイス、堪能した俺にいまさら照れ顔の恋人は、恥ずかし笑い。


 暑さに溶けるパフェのように、このまま二人混ざり合えればいいのに。

 でも、残されたパフェみたいになったら嫌だから、俺はいつまでも甘い夢の中、君との情緒なんかを思い浮かべてみたりする。



【FIN】
20051223.


[*←||→#]

2/4ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!