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星の行方を決めなきゃ
 土方さんのと俺のを重ねてそこから広がる相手の温かさ、弾力があるのに柔らかい感じ、皮膚と皮膚とをくっつけ合うというその行為の恥ずかしさ。時々頬に添えられる、大きくごつい手の優しい触れ方を抜きにしても、キスはこの世で一番くらい好きなものと言っても過言じゃない。顔と顔を合わせて、直前に視線を絡ますのもたまらない。愛しあっている、なんて言うのは逆に嘘くさいのだけど、確かに好きあっているということを感じられる。舌を触れあうのも良いけれど、それより唇だけでむにむに食べあうようなのの方が好きだ。

「キス、好きか?」
 ちゅ、と口付けあった後にそんなことを囁かれては、あまりに夢中な俺の惚けた顔でも見られたのではと赤面する。顔を斜めに逸らして土方さんの浮き出た腕の血管をまじまじと見る。何かを言おうとして、は、とあることに気付く。考えすぎかしら、なんて。
「あんた、タチ悪ィや。」「そういう質問、しないで下せェ。」
「何でだよ。」
変に拗ねた俺を宥めようと、大きな手が頭に降ってくる。日射しより温かく、降り積もる雪のように優しい。
「今までの女は、何て答えてたんだろうって、おんなじコト言っちゃあ、俺ァ面白味の無ェ男だって考えるんでさァ。そこんとこ空気読めよ。」
「ごめんな。」
俺を猫可愛がりするから、いけないのだ。いつかこの関係が終わりそうで、全てを焼きつけてしまいたくなる。今までに築いてきた長い時間が、多分奇跡的なことだったのだろうって、死んでいく沢山の人たちを見てそう思う。流れるようにくっ付きあった俺らも、そろそろ自分の終わりを自分の手で動かしていかなきゃならないんだ。駒みたいに。ボードゲームの駒みたいに。
もうじき別れよう。土方さんに見合いの話でも来ないかな。解散したバンドみたいに、きっとこの瞬間が永遠になるさ。

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あきゅろす。
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