短編
転がり堕ちる火種3(静帝臨+杏里+新セル)完結
新羅の予感は的中した。
ここに来る人間は大概決まっている、だからこそ新羅はこの中には入れたくはなかった。
(殺しあいなら外でやってくれよ!!)
新羅の心の叫び声なんて届きもしないで、火種=折原臨也は笑顔で静雄と帝人をみていた。
なんの前ぶれもなく現れた臨也に静雄は静まっていた怒りが溢れだした
「いーざぁーやぁぁ!!!!」
「やっぱり、来てみたら案の定、ここにいた、帝人君、早くこっちに来て、シズちゃんのところにいたら狂暴な暴力人間になっちゃうから」
「!!臨也さん?!」
両手を広げてる臨也、静雄は爆発的な怒りの感情に近くにあるものを投げていた。
投げる速度は人並み以上だが臨也は慣れた動きで交わして行く。
とはいえども、ここは狭いマンションのリビング。
「危ない、危ない、帝人君にあたるよ」
「てめぇだけにあたるよにしてんだよ!!!とっとと死にやがれぇ!!!!」
ソファーを持ち上げて投げる、テーブルを投げて持ち上げて投げる、破壊されていく室内。
新羅はただ泣いた、心の中で。
セルティは影で難を逃れていた、しかし、自分のまわりには新羅と杏里だけで帝人だけは彼らの近くにいた。
いたというよりは中心にいる。
−恐ろしい奴らに好かれたようだな、あの子は…
好かれたというかわいい表現とかではない異常に近い好かれ方。
臨也の感情も静雄の感情も。
思考が普通ではない。
−けど…あの子はなんであんな危険な状況なのに
笑っていられるのかしら…
セルティは帝人を見ていた、逃げて怖いと感じてはいるのに静雄と臨也の殺しあいに近い状況の中で帝人は笑っていたんだ。 当人はそのことに気づいてはいない。
「うわぁ!!」
ガラスが割れる音に驚いてたまらずに声をだした。
静雄が投げたコップが飛んできたんだと理解はしたが帝人にはそれを回避するすべはない。
偶然という奇跡で逃げるだけだがそれすら無理に思えた。
静雄の怒りは止まらない。
(やっぱりやっぱり静雄さんは凄い人だ)
今までの日常にはいない人間、だから憧れてしう。
怖いのにワクワクしてしまう。
「いーざぁーや!! てめぇ!!竜ヶ峰から離れろ!!」
「嫌、なんでシズちゃんにそんなこと言われないといけないのかな、帝人君に俺の物なんだから」
「物ではないですよ、僕は」
いつの間にか帝人は臨也の腕の中にいた。
出会う前の帝人ならあたふたしていたが、池袋に来てから数ヶ月たったら意外にもこの状況が慣れてしまった。
いや、どちらかと言えば状況的なに楽しんでいる自分自身がいた。
「わかっているよ、言葉のあやだ、でも、こんな状況なのに冷静に言葉返すなんてね、ああーそれより帝人、これから夕飯しない?」
「夕飯?」
そう言われたらお腹はすいている、健全な男子高校で育ち盛りなこならなおさらお腹は空く。 だから帝人は考えてから言葉を紡いだ。
「静雄さーん!!お腹空いてないですか!! 」
「ん?……あっ空いてるぜぇ!!」
と帝人に言いながら静雄は臨也に蹴りを入れる。
「てっ!!ちょっと、帝人君?!なんでシズちゃんに聞くの?!」
帝人を持ち上げて静雄の蹴りを避ける臨也は驚いた口調で帝人に言う。
「えっ…なんか、みんなで鍋やりたいかなーて、臨也さんはいなかったけどメンバーは違うけど皆で、ここで鍋パーティーをやったのを思いだしたから」
まったく状況にあわない笑顔の帝人。
「へー 鍋パーティー…いいね、俺は全然にいいけど…シズちゃんがいないなら、別に」
「はあああ!!なに言ってんだよ、俺だって、てめぇがいないなら」
相変わらずの口論に相変わらずの状況。
殺しあいに止めるすべはにない。
けれど、終わりは来る。
「わかりました、僕、帰ります」
「「?!」」
不意に臨也の手から離れた帝人は何事もなかったのかのよいに二人から離れていった。
予想外な言葉と行動に完全に動きが止まる静雄と臨也。
帝人はセルティの近くにいた、杏里の元に行く。
「帰ろう、園原さん」
「うん、……そうだね、あっでも二人はいいの?」
「…うん、なんか二人の仲を邪魔しちゃっいけないみたいだから、…ああー鍋パーティーしたかったな」
『今日でなくてもよいだろう?』
セルティはPDAに言葉を打ち込み画面を帝人に見せた、確かに今日でなくてもいいと帝人はわかっていた。
「この状態だと……やっぱり無理だよ」
新羅が深いため息をついて呟く、帝人は後ろ向いて見れば確かに酷い有様だった。
散乱してる家具に割れたコップの数々。
鍋パーティーをやる状況ではなかった。
なかったのに空気を読まない人間はいた。
「竜ヶ峰………帰るな、これから鍋パーティーやろうぜ!」
「えっ!?」
「シズちゃんの言う通りだよ!、帝人君!まだ君は帰ってはダメなんだからね!」
「ノミ蟲は新宿に帰れ…」
「シズちゃんこそ、帰れば…」
「喧嘩するなら僕、帰りますよ」
静かな声。
誰か他の人間が言ったなら二人に無視されるのが目に見えているが帝人だからこそなのか。
近寄ったら危険な人間という塊の二つの存在は慌て帝人を止めに入っていた。
−あの子の将来が怖いな。
セルティはただいいしれない恐怖をただ感じていた。
火種に火がつき燃えさるのは早いが燃え尽きるのも早い。
けれど……
火種なんてどこにでもあるんだ。
==========
途中に帝人様がなんか降臨していたり、後半がクダクダになった。
セルティとか新羅の語りが多くてなって。
あっ正臣がいないのは原作筋になっています。
鍋パーティーのネタはいれたかったらなにがなんだか……。
静帝オチにしたんかったのに……まだまだ静雄のキャラが掴めてないようです。
(。´・ω・。)シュン
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