４
確かに、ふいに出た言葉にしては幼児言葉のよう。しかしそのまま言葉を受け入れられるような心境でも、状態でもない。
「本気で言ってるなら、殴る…っ」
「出来ないくせに、よく言うね」
「く、そ……っ」
何もかもが不愉快だ。快いことなんて微塵も有りはしない。
それなのに、魔術か何かのように湧きあがるのは性の欲情。
誰でもされたらそうなる、仕方ない、と言えばそれまでだが。
呉真が頭の先をぐりぐりと刺激して、また口に含む。それを繰り返され、たまらなくなって訴えた。
「も…っ、ほんとに、やめろ…っ！」
「ふへ…？」
「や…だぁ…ッ！そのまま喋るなぁっ…！」
紅潮した頬で身体を震わせながらじゃ、少し説得力に欠ける。
呉真はいったん口を離し、ずいと顔を寄せた。
「じゃ、やめます。…足、もっと開いて」
「…え…？」
奴が大人しく引き下がったのに拍子抜けして出た変な声。
そのまま終わる筈もないと思っていたものの、終わらせるならはやくとおずおず足を開いた。
すると、自身から指を離し、後孔にぐ、と人差し指を押し宛てられる。
「は…、呉真…？…、そんな、とこ…っ」
言い終わらないうちに、少し指先を埋められた。突然きた異物感に思わず眉を潜める。
「…っひ…抜け、やめろ…！」
「さっきからやめろって言うけど、嫌じゃないでしょ？」
「そんなわけ…っ！」
「…なか、欲しがってますよ」
「なっ…！」
一度指を抜き、自分の唾液を絡ませたものを再度進める。
其の器官をこのような目的で使ったことはない。しかし唾液の所為か、少し力を入れるだけで奥まで埋まっていく。
感じたことのない不思議な感覚ではあるが、本当に気持ちが悪い。それに、異物感は更に切迫してくる。
「…う、あ……っ」
「…、大丈夫ですから」
呉真が汗で張り付いた私の前髪を横へ流す。其処で視線がかち合う。――ああ、恥ずかしい。
もう、今まで己を形成してきた自尊心なんて全然役に立たない。
いつの間にか二本に増えた指が内壁を押す。と、今までの異物感が快楽に転じた。
驚きもあったがその衝撃に大きく反応してしまう。
「や、ぁあ…っ！」
「…、此処気持ち良い？」
「ひぁ、やだ、其処…っ触るなぁ…っ！」
おかしい。
其処は排泄をする器官なのに、どうしてこうも快楽へと繋がってしまうのだろう。
［*前へ］［次へ#］
無料HPエムペ！
携帯モード]
[
URL送信]
